獣医師広報板ニュース

野生と自然掲示板過去発言No.4000-200002-25

同じ土地に住む生き物同士の距離
投稿日 1999年9月18日(土)11時25分 プロキオン

いわきさん、ご教示ありがとうございます。ただ、日程的
には都合がつきそうもありません。
せっかく教えて下さったのに申し訳ありません。

タイトルはシンラの9月号からです。一枚の写真が載って
いるのですが、知床の番屋を背景に1頭のヒグマが写って
います。驚いたのはその背景のなかに2人の人間が写って
いたことです。
通路をゲートでしきり、関係者以外立ち入り禁止にする、
生ゴミを出さない、保管食料の管理の徹底等で人間とヒグ
マが必要以上に近づかないようにするという方法でクマと
地元の人間の均衡を保っているのだそうです。
写真に映し出されている人間とクマの距離こそがタイトル
の距離ということなのです。お互いが不必要な干渉をしな
ければ、ここまでの接近が可能ということのようです。

しかし、この距離も外来者によってしばしば壊されるそう
です。この時にはヒグマの駆除という解決方法が選択され
るわけです。

北海道には1900〜2300頭のヒグマが棲息すると推
定されており、ここ30年に約30件の事故が発生してい
るそうです。交通事故の発生件数よりははるかに少ない危
険度なのですが、自動車をなくせという声は出ないですよ
ね。比較すること自体が叱られそうですが・・・。

同じ土地に住む生き物同士がトラブルを起こさずにともに
生きていくことができるのなら、この距離について1人で
も多くの人が考えてくれたならと思いました。


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