第１話　ゲンゴロウの災難
ゲンゴロウ、といってもカラスの名前ではありません。水の中に住んでいるあ
のゲンゴロウです。
カーコの水浴び用に　洗い桶がアパートの部屋の前に出してあります。それに
いつしか田んぼから飛んで来た小さなゲンゴロウが住み着いています。
本日、激しい水音がするので、またカーコが水浴びをしているのだなと思って
見に行くと、そうだゲンゴロウはどうしたんだろう？　カーコの水浴びはとて
も激しく水しぶきもすごくとばします。
ゲンゴロウは洗い桶の底のゴミに必死でしがみついて　小さくなっていました。

第２話　アータロウの事情
アータロウは、３〜４羽の小さなグループにいるカラスのようです。よく近所
の電柱にとまって、こちらを見ています。
カーコがいると、様子を伺って安全みたいだなと思うと、近付いてくるみたい
です。アパートの階段に踊り場がるのですが、先日　ついにその踊り場の手す
りで、餌の手渡しに成功しました。
地面から直接舞い上がるよりも、飛び立ちやすいので、より安心ということな
のでしょう。餌にカニカマをあげたのですが、ひったくるなり、いきなり飛び
去っていきました。
今日は、キャットフードだったので、嘴でつかみそこねて飛んで行きました。
アータロウの足は、皮膚が破れて腫れ上がっていたのですが、よく近くで見る
と、皮膚はすでにむしり取ってしまったようで、指の骨がむき出しになって乾
燥してしまっているようです。
カーコよりも小さく、頭の毛もまだポワポワしています。地面に餌を播いてあ
げると、公園の鳩状態です。二人で、競争して餌拾いをしています。

第３話　通りすがりの人の驚き
朝、出かけようとしていると　いきなり通りすがりの人に道を尋ねられました。
地図を片手に、どういったら良いでしょうというので、地図を借りて現在位置
を教えてあげようとしたら、後ろで羽の音が。
ポンと私の肩にとまるのですが、私が顔をあげずに地図を見続けていたので、
また、耳をつねります。
道を尋ねた人は、「何なんですか、この鳥は？」「この鳥はカラスですけど」
「飼っているんですか？」「いいえ、この近所では少し有名なカラスで、い
つもこうなんです」
かなり、驚いた様子なのですが、私の受け答えが　少しずつズレているので、
困惑してしまったようです。私も人が悪いですね！
「他にもいますから。」と続けると、「えっ」と言って　そそくさ足早に去
っていきました。


シートン動物記にカラスを題材にした話があって、それにカラスの鳴き声が譜
面になって載っていましたが、ミセス、プロキオンは今シートン動物記を捜し
ています。
「猫は猛獣ゆえに人に馴れる」と言ったのは、ライハウゼン博士だったかな。
この言葉を借りると、「カラスは猛禽ゆえに人に馴れる」というところでしょ
うか。
猫にも犬にも　突っかかっていくし、糞を見てみると、他所の家で貰った穀物
の餌が消化されずに　そのまま出て来ています。テレビ放映で実験を見た方も
多いと思いますが、あれなら肉食ですね。