野生と自然掲示板過去発言No.4000-200202-75
いろいろ |
投稿日 2002年2月27日(水)12時21分 プロキオン
>チーママさん、 りんママさん 元の文章がとりとめもなく長くなったうえに、(注)も長くなってしまったの で、あえて略語のままというのが表向きの理由です。 本当は英単語の綴りを調べるのが面倒だったりしたのが、真相です。お二人に 指摘されておりますので、ヨッコラショと腰をあげて。 AAA:Animal Assisted Activity(動物介在活動) 動物とのふれあい活動で、対象となる人の生活の質の向上、情緒的な 安定、また教育やレクリエーションを目的として実施される。 AAT:Animal Assisted Therapy(動物介在治療) 医療行為の一環であり、専門的な治療行為として実施するものであり、 対象者の身体機能、社会的機能、精神面の向上回復を目的とする。 AAE:Animal Assisted Education(動物介在 教育) こちらはまだ明確な定義はないのですが、人間も動物も自分以外の他 者とふれあうことによって、他者を受け入れる事ができるようになる。 犬も猫も子供のうちにふれあうことで、お互いを恐れなくなる。人間 も他の動物達の生命を脅かすような虐待に走らなくなる。第三者の人 間に対しても全人格を否定するような行為に抑制が働くようになると いう理論にもとづいています。 通常私達のグループが特別養護老人ホームで活動しているのは、AAAの段階 です。ですが、そこでも四肢麻痺で手足が動かないはずのおばあさんがウサギ をなぜようとして手を動かしたり、耳が聞こえないはずのおじいさんがパグ犬 の鼻息を「この犬は鼾をかいている」と聞こえていたりします。 施設の職員さんにしてみれば、驚愕の事態にしばしば遭遇します。医者が傍ら についていて、目的をもって実施したのであれば、これはAATに相当します。 つまり、首が左側に動かない人を対象として、犬や猫をその人の左側に置いて 「さあ、なぜてあげて下さい」と右手を誘導します。 必然的にこの人は体を左にむけてようとします。この時に無意識ながら動かな いはずの首も左にむけようとするわけです。 単純には、自分自身の殻にこもっていて、他者と会話しない人が、動物に向か って身を乗り出してくるのも範疇に入ります。 でも、これらは医師による治療計画にそって対象者の段階に応じてプログラム が実施されなくてはなりませんし、また その都度効果の判定評価が必要とさ れています。 動物介在教育の場合は、「生活科」の学校飼育動物と意図するところは重複す るのですが、こちらはあまりに飼育状態が悪く、かえって動物の飼育とはあん なものでよいという誤った概念を植え付けることになりかねないと各方面から 指摘されているところです。 まあ、とりあえず犬や猫の抱き方、接っし方からというプログラムからになっ ています。まずは、人も犬も不快な思いをしないようにというところからです。 (具体的には、かなり細かい規定されたプログラムですが) >Kaさん 鳥の羽毛の撥水性はかなり重要な問題で、水鳥の救護の際には決して撥水性を そこねてはいけないとされています。「箱舟に乗った鳥たち」の中でも猛禽類 での撥水性の維持にこだわっている表記が随所に出て来ます。 ある写真家のエッセーには水浴びをしていて飛べなくなってしまったトビの話 ができたことがあり、ああ、日本でもあるんだなと思いました。ですから、G Oさんが目撃された鳩達もギリギリの線で川面に舞い降りているのだと思いま すよ。 ところで、ヒキガエルが脱皮するって知っていました? >GOさん 鳥類の感染症というのは、ひじょうに蔓延しており疾病の発病というのも相当 にあるはずです。 ニューカッスル病についてであれば、私の経験からも鶏で流行する以前にペッ トショップや家庭で発生していた事実を承知しています。これは発生報告をす るべきだと私達は主張したのですが、上司に握りつぶされました。 あまりにくやしかったので、その時の一言一句をメモして残してあります。 また、その当時全国で流行したニューカッスル病は海外から持ち込まれた鳩が あるレースに参加したために疾病をひろめたとまことしやかに噂されました。 この噂も個人的にはかなりの真実があると受け止めています。 長野県でキレンジャクやヒレンジャクが謎の大量死をしたことがありますが、 東北と九州で「トリインフルエンザ」の発生報告があったので、これとの関連を 疑った獣医師がおりまして、私も頼まれて国や県に問い合わせたことがあります。 国の試験場からはなしのつぶてで、県からは流入経路については一切秘密扱い で、県でもわからないと言われました。 私達は鶏の肉も卵も食べているわけなのですが、とくに肉に関しては「食鳥検 査制度」まであるのですが、この肉が清浄かというとそれは別問題です。まあ、 人間が食べることには問題ありませんが、これから野生の鳥類に感染してしま う疾病は少なからず存在します。 また、野鳥が鶏や飼鳥に疾病を伝播するというような事例もあるわけです。 ニューカッスル病は人間が感染してもおそらく殆どの人は自覚症状がないと思 います。でも、鳥には甚大な疾病です。 トリインフルエンザも相当に深刻な疾病ですが、人間は傍観者でいられます。 でも人間、トリ、豚の間で遺伝子のやりとりはあります。結核も人型、牛型、 鳥型とありますしね。 食をめぐる分野で獣医師の存在というのは、比重が大きいと思います。 逆に飼鳥から、野鳥への感染も防ぐ必要もあると私は考えます。 |
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