獣医師広報板ニュース

野生と自然掲示板過去発言No.4000-200203-33

ちょっと、掲示板の主旨から外れていますが
投稿日 2002年3月9日(土)15時37分 プロキオン

>畠さん
そうおっしゃっていただくと有り難いです!
私の加入しているメーリングリストでも、明日の放送を宣伝している方がいま
したので、私も追加宣伝しておきました。

>翼さん
簡単に言うと、動物介在療法をやりたいのであれば、医師か理学療法士になっ
て医師の指導の元に医療施設で実施する必要があります。
動物介在教育であれば、学校からの要請に応じて私達が学校に出向く形になり
ます。
どのような形をとろうと、本質的には「動物介在活動」の範疇に入ります。私
達が医師の要請に応じて医療施設で活動をすれば、「動物介在療法」になり、
学校の要請に応じれば、「動物介在教育」になります。

基本的には、いずれも「人と動物の絆・ふれあい活動」なのです。参加するボ
ランティアについては、人と話をするのが嫌いで無いということと、動物につ
いては、知らない人と接することがストレスになりにくいという適性が必要で
す。どちらも あまりクヨクヨせずにお気楽であることが大事です。
人も動物も楽しくなければ、この活動は継続していくことはできません。

>Kaさん
申し訳ありませんが、私はFIVについて「意見交換」に書き込みする気はあ
りません。
患単に言ってしまうと、「感染することがありえる」という話だけが一人歩き
する恐れがあるからです。むしろ、冷静に判断できない人には教えない方が利
とするところが大きいと考えているのです。

以下がその概要です。
FIVについては、その発見当初からHIVとの近縁性から人間への感染がと
りざたされていたが、人間のリンパ球で繁殖しないという理由から危惧をもた
れるには至らなかった。
カルガリ−大学の研究チームにおいては、FIVがサルや人間の細胞で増殖す
る事実を見つけだしており、今回、それを確認する実験結果が得られた。
特殊な条件下というのは、サルから取り出した末梢血リンパ球をin vit
oro(実験室内、試験管内の意味)でFIVに感染させ、ウイルスが増殖す
る状態になったところで、元のサルの体に戻してやるというものであり、サル
はT−リンパ球中のCD−4細胞が陽性に転じ、体重減少も見られるようにな
ったというものです。
このときに、血液細胞や脾臓にもFIVの遺伝子が検出されるようになった。
ただし、初期感染反応と抗体産生には個体間において大きな差が見られた。
その後、FIVは大人しくしているが、刺激を与えると、in vivo(生
体内の意味)においても 再活性化が見られた。

という報告内容です。ストレートに猫から人間への感染が成立するという話で
はありませんが、取扱いに注意が必要な話ではあります。
恐らく、免疫は1つの防御機構ではなく、いくつもの方法で感染や増殖を防ぐ
多重構造をとっているのではないでしょうか?
そういう免疫機構の一部に破綻が生じている場合は、決して100%の安全を
過信してはならないということです。むろん、健康な人間でも100%を保証
できるわけではありません。
特別養護老人ホームに入居されている老人の方達は、免疫の能力が低下してい
るとものとして接する必要があるのです。また、小学生についても同様なこと
が言えます。


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