獣医師広報板ニュース

野生と自然掲示板過去発言No.4000-200208-17

カラス、よもやま話
投稿日 2002年6月15日(土)12時41分 プロキオン

>sutemaru先生
顔を覚えられてしまったというので、餌やりに苦労しているのかと思っちゃい
ました。食欲があるのなら、さほどの心配はいらないのではないでしょうか。
いっぱい食べて親より大きくなってもらい、それから搾り込んで飛翔すること
を学んでもらうということになると思います。

すでに、羽ばたきをしていたり、兄弟が飛行しているのであれば、本人に何か
問題があるのかもしれませんが、実際のところどうなのでしょうか?
足の掴む力が弱いそうですが、鳥は翼よりも足の発達の方が先行するはずです
から、その点が少し気になります。
マイコプラズマやサルモネラによる関節炎、レオウイルスによる腱鞘炎、リン
とカルシウムのバランス失調、あるいはその他のウイルスによる神経障害等、
検討すべき項目はあるかもしれませんが、まあ、あまり悩んでもしょうがあり
ません。早い話が片足だって生きて行くことはできます。
アータロウも足の指の骨が剥き出しという状態だったので、握ったりつかんだ
りは駄目でした。

本人にどれだけ空を飛びたいという気持ちがあるかだと思います。成りゆきま
かせのようですが、野鳥である以上は、それもいたしかたないかなと考えます



「カラスの死体」

見せしめに畑にぶら下げられているものは、何回も見ています。
人知れずに死んでいたものは、1度だけあります。神社の境内というか裏手で
隠れるようにありました。

その神社が「熊野神社」だったので、さすがにカラスも死ぬ場所を選ぶのかと
妙な感慨にふけりました。

カラスは熊野神社の眷属で、花魁・遊女が心にもない嘘の起請文を書くと、そ
の都度熊野でカラスが75羽死ぬと言われているそうです。
(注:起請文は熊野神社の誓紙に書くのが常だったそうです。)

どこかの誰かが、男を騙して、いつわりの約束をかわしたので、このカラスも
この神社で死ぬことになったのであろう、他の熊野神社でも あと74羽のカ
ラスが死んでいるのだろうと。
騙された男というのが、自分自身でなければ幸いです。

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