獣医師広報板ニュース

野生と自然掲示板過去発言No.4000-200510-100

Re:ネジバナ
投稿日 2005年6月26日(日)02時26分 投稿者 パールちゃん

> ということは、種を確実に周囲に落ちるようにしていけば、増やせるのかな?

ラン科植物を種から育てるにはラン菌という菌がないとうまくいきません。
ですので新しい鉢に新しい土を用意してそこに種をまいても発芽しないし、
ネジバナが植えてあるプランターの下の地面に種が落ちても発芽しません。
ラン菌があるという条件でいうと、
ネジバナが植えてあるプランター内でこぼれ種から発芽というのが最も確実ですね。
ところがネジバナは同種での密植を嫌います。自生地でも点々とまばらに咲いています。
ということは、スペースが限られたプランター内ではこぼれ種から発芽はするけれど育たない、
そういうことになってしまいます。
虫がいないと受粉できない、ラン菌がないと発芽しない、
発芽しても近くに親株があると育たない・・けっこう気むずかしい植物ですね。

ところが、気むずかしいからこそ増やし甲斐があると、
昔からエビネ愛好家たちは実生繁殖の研究を重ねてきました。
エビネもランの仲間です。ラン菌がないと発芽しません。
エビネ愛好家はエビネの種を親株の根元にまきます。
発芽後、子苗の根がしっかりとラン菌を保有したら(この見極めがむずかしいらしい)、
親株の根元から掘り取って別の鉢に植え替えます。
自立できるまでは親の元で育てるけれど、早めに独立させないと親と対立しちゃいます。
おもしろいですね。人間と同じだ(笑)

というわけで、ネジバナを増やすには、
7月上旬〜中旬に親株の根元に種をまき(親鉢まきという)、
小苗のうちに根を痛めないように堀り上げて素焼きの鉢に植え替える。
使う土は赤玉土とくん炭と水苔粉を混ぜたもの。
植え替え後は土を乾かさないように常にほのかに湿らせて直射日光の当たらない半日陰で育てる。
翌春からは明るい場所へ出す。
肥料はごく薄い液肥を秋の彼岸と春の彼岸の2回、ごく少量のみ。
これでやってみてください (^^)v

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:日本ベェツ・グループ 三鷹獣医科グループ&新座獣医科グループ 小宮山典寛様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。