獣医師広報板ニュース

動物の愛護掲示板過去発言No.6000-199910-32

Miccheleさんへ。
投稿日 1999年9月26日(日)03時19分 羽鳥

羽鳥と申します。
大分前に、掲示板に書き込みをしました。
詳しい事情を教えてください、と
レスを頂いたにも関わらず、
長い間、お返事せずにすみませんでした。
今日まで、物凄く悩んでいました。

理由の一つは、前にいったとおり、
私が告発したことが代表者にばれるのが恐いのです。
会社はどうしても我慢できず、6月末で退職したのですが、
あんな社長でも、たった一回ですが、世話になったこともあります。
例えば、私の名前が挙がらなかったとしても、
ネット上で告発を受けた、というのが分かってしまったら、
それは間違いなく、私のしたことだとわかってしまうからです。
(あそこの事情をしるもので、コンピュータを使えるのが
私くらいだからです)
二つ目。
あんなところでも、働いている人がいます。
もしも、私の願い通りに、誰かがあそこの状況を
調べるために、入っていただいたとして、
「もっと環境を整えなさい」と言ってくれたとします。
無理です。おそらく、その場合は、ほぼ間違いなく
閉鎖になります。あそこには資金がなさ過ぎますから。
動物達の居場所は、なにかしらのカタチで決まるとします。
でも、そうすることで、現在働いている人々が失職することになります。
この話を、先輩にはなしたところ、
「なんとかしてくれるのは嬉しいし、動物も可哀想だけれど、
頼むから、せめて私が辞めてから(次の仕事を見つけてから)にしてくれ。」
と言われました。
当然だと思います。

何日も悩みました。
そして、今日、偶然、あそこを訪れる機会がありました。
あれから従業員が増えた、施設も増設された、と聞いていたので、
少し期待をしていったのですが、現状はあの頃(私が退職した6月末)よりも
さらにひどい物になっていたのです。
3帖の広さの畜舎が5つ。
その中に、それぞれ・ウマ(道産子)1頭 ・ポニー4頭 ・ポニー2頭
・ラマ1頭 ・ヤギ11〜12頭 + ウシ(ジャージー)2頭
ウシは、ゴールデンウィークのイベントのためだけに購入され、
その後ただ畜舎にいるだけです。3ヶ月経っていますが、全くと言っていい程成長していません。
鮨詰めもいいところで、身動きひとつできません。
ポニーも、道産子も、当然動けません。
相変わらず、ラクダもシマウマも入れられっぱなしです。
小動物も増えていました。
アライグマやフクロギツネなど、前からいたものも、やっぱり
汚れたケージに入れられたまま、365日、一歩も外へでることはありません。
小さなバリケンに入れっぱなしにプレーリードッグ。
ストレスで羽をむしってしまったキエリボウシ、コバタン。
中型のバリケンに何羽ものハトを詰めています。
犬もどんどん増えていて、
あの後、また、ゴールデンRがダックスをかみ殺してしまうという痛ましい
事故が起きているとのこと。
ふだんはとても温和な性格のゴールデンですが、鮨詰めな状況で、
ストレスになっているのでしょう。
そのなかでひとつ。
一頭のダルメシアン(♂13才くらい)が、
顔の色がまっ黄色になるくらいに膿で湿っているのです。
以前から、耳だれがひどく、何度も病因につれていってくれるように頼んでいたのですが、
結局放置されていて(たまにイヤーローションもしくは適当に薄めたヒビテンで消毒。
その後にテラマイシンかなんかを塗っていた)、
先日やっと診てもらったものの、すでに手の施しようのない程に転移している
耳の骨(顎の骨)の癌だったらしいのです。
1年くらい前にできて、早い治療をすればある程度はなんとかできたらしいのですが......。
そのうえでです。
経営者は「どうせ、治療してもなおらへんから」といって、
ほとんど治療らしい治療を受けさせていないらしいのです。
顔は腫れ上がり、膿は顔を大部分をおおう程に垂れ流されています。耳のしたに大きな穴があいてます。
そのままなのです。耳は当然聴こえていません。
そんな彼は私に元気よく尻尾を振り、ひさしぶりだね!なでてくれるかい?と聞いてきます。
涙がでそうでした。
信じられますか?10年以上飼ってきた犬に、その仕打ちですよ。
「どうせ死ぬから」?なんでそんなこと言える人が、あんなに沢山の命を弄ぶ権利をもっているの?
あのヤギたちをみて、どうすれば「微笑ましい」などと言えるの?
ごめんよ、チビル。私が、あの時に社長にどんなに罵られようとも、
むりやりにでも病院につれていけば、まだもう少しましだったかもしれない。
「しかたない。事故だから。病気だから。」
違う、明らかなる人災で、あなたたちの責任なのに。
なんにもできずに、みているしかできない、できなかった私の責任なのに。
自分の卑怯さと、弱さと、非力さに吐き気がします。
なのに、此の期に及んでなお、詳しいことを開示することに
抵抗があるのです。
今現在も、彼らの環境は劣悪化の一途をたどっているのに!
助けてほしいのに!助けたいのに!
従業員も、わずか3ヶ月に私をふくめて3人やめているそうです。
そして、また、夢をもった人達が、その先に待つ失望という現実が待つことも知らずに
次々に訪れています。
彼らのためにも、勇気をださなくてはいけないのに!!!!
結果的に、辞めることで、彼らを放棄したも同然の私に、経営者を告発する権利はあるのですか?

「えさはあげている」
「雨風をしのぐ設備は整えられている」
と言われれば、かえす言葉もありません。
前述した事情もどうしても不安材料として付きまといます。
どうしても、これ以上動けない。なぜなんだろう?
自分が責められるのが、嫌われるのが恐い小心者なんです。
やっぱり、私は卑怯者です。



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