獣医師広報板ニュース

動物の愛護掲示板過去発言No.6000-200108-20

純血種の繁殖と避妊手術の是非
投稿日 2001年8月4日(土)17時31分 森の猫

純血種の繁殖を一般家庭ですることは好ましくない、と
いう話と、避妊去勢の是非についての話は、まず微妙に
違うということを、一応書いておきますね。

>純血種の繁殖について
くり返しになりますが、繁殖には多くの勉強と知識が必要になり、
場合によっては、先天的な奇形の犬猫や重い病気の犬猫が
生まれる可能性があるので、一般の飼い主が行うのは
よくないこととされています。

スタンダードは、そのときの流行によって移り変わって
いくものですが、作り出されるのに多くの人の手と、
子犬子猫の犠牲があるものですから、純血種を飼っている
人は、それを崩さないように協力するべきだと思います。
#純血種は、ほぼ、人工的に作り出されたイキモノです。
(自然発生の種、と呼ばれているものでも、姿形を固定する
ために、どこかで絶対に人の手がはいっているはずです)。
それを理解した上で、ともに暮らすべきだと思います。

>あんちょびぃさん
どうしても繁殖をお考えなら、ご愛犬を購入したブリーダーさん
に相談するのが一番です。血統についてよくご存じのはずです。
その犬が子供を持つことに向いているかどうかも、ブリーダー
さんが判断してくれることでしょう。

>避妊手術の是非
七月に子猫の里親探しのまねごとをしました。
本格的にさがす前に、知人がもらってくれたので苦労しないで
すみましたが、それでも精神的には意外なほど疲れました。
里親サイトを運営している人々は、偉大だなあと思います。
それが縁で、公園の猫おばさんとも友だちになりましたが、
自費で多くの猫に食事を与え、避妊手術をし、怪我や病気を治し、
予防注射をしている背中の曲がったおばあさんである
その人をみるにつけ、
「猫を捨てていく人は、無責任だなあ」と、怒りを覚えます。

「避妊も去勢もしなくていい。うんだ子猫はこの施設へ」
などという施設をもし行政が造ったら、無責任な飼い主たちは
みんながその施設へ「捨て」にいくでしょう。
保健所の代わりに。

子犬子猫を公園に捨て、保健所にもっていくのは、犬猫が好きな
人だという怖ろしい現実を忘れないで下さい。
犬猫を飼っていて、避妊しないからこそ、子犬子猫が生まれる
のです。親にメスを入れるのがかわいそうだとか、犬猫にお金を
かけられないとか、そんなことをいう人たちが子犬子猫を捨てる
のです。
ちなみにうちの三毛は、いまじゃ「なんて見事な三毛猫でしょう」
と、お客さんに絶句されるような美猫ですが(ちょっと自慢)、
最後一日で生ゴミにだされていた猫です。
三毛を捨てた人は、三毛のお母さんをなで、餌を与えたその手で
生まれたばかりの赤ちゃん猫をビニール袋に入れてすてたわけ
です。どんな精神状態なのか、理解に苦しむところです。
なんらかの「事情」があるかもしれませんが、どんな事情があったと
しても、共感しかねるところです。

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