動物の愛護掲示板過去発言No.6000-200712-45
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投稿日 2007年8月21日(火)11時41分 投稿者 プロキオン
ちょうど土曜日に、特別養護老人ホームへ犬猫を連れて行っている訪問活動の仲間の方2名の送別会がありました。 1人は最初頃からの10年のおつきあいで、もうお一方は1年半くらいの参加歴になります。どちらの方も御主人の転勤が理由でした。 このような活動でも参加してくる動機があるわけなのですが、別のある方の場合は、ある里親捜しの団体に参加していて、その中で意見の食い違いが生じて行き詰ってしまっていたということのようでした。異なる価値観をもっていて、それでも其処に居てよいんだと認めてもらえることが欲しかったということみたいでした。 おそらく、1人の特定の者のやり方運営の仕方というのがあって、こうするものだ、こうしてくださいになってしまっているということではないでしょうか? 私達の訪問活動にしても、十把ひとからげに「ああいう活動は、動物虐待である」と評する意見もあります。 つまり、犬や猫が望んでもいないのに見知らぬ大勢の中へ連れ出して、弄り回される。動物にとっては虐待行為だという理由です。 でも、私達からすると、これは皮相な見方です。まず、最初に犬にしても猫にしても人間を好き、いっしょに居ることを苦としない性格のものを選んでいます。そして、カーミングシグナルやストレスサインを学んで、動物に負担がかかりすぎる前に休ませるということを人間が学ばされているのです。 とくに猫なんかですと、性格がほとんど100%近くのところを占めてしまっていますから、猫の形をしていればよいとは考えていません。犬も芸を披露しても観客の拍手や声援で調子が出てくる子が向いているんです。 もしも仮に、訓練でじっとしているとか、もくもくと調教の成果を披露するという例ですと、彼らは訪問活動の時間はずっと作業をしているワーキングドッグということになるでしょう。そのような方式の団体もありますし、それが効率的であぶなっかしいところがない活動かもしれませんが、私達のところでは、動物も遊びに行くという感覚で考えています。 ですから、虐待とは考えておりません。 外から見ただけですと、考え方や方法の違いまでは把握できていないでしょうから、単純に批判できてしまいますが、実態を知らないでの批判は、的外れだなと感ずることもあるわけです。 ですが、私達のところにも問題点はあります。長年やっていると、動物が歳をとって活動参加が負担になってくることです、後継者(犬や猫)としての適格性をもったものがなかなか見つからないことですね。我が家には8頭の猫がいますが、1頭を活動から隠退させましたが、残りの7頭の中では1頭いるかどうかでしょう。 昨今は老人用の医療施設や介護施設が増えて、うちにも訪問活動をお願いしますは多いのですが、動物が疲れないうちに休ませる「もっと、遊んでいたい」と思っているところで活動を終わらせるようにしている限りは、訪問回数だって増やせないんです。 来てくれと言ってきている施設にしても、この訪問活動が動物にとってどのようなものであるかまでは理解していません。入居者のことがあって、そのための動物という考えがスタート時点の考えであるのが当然なのですが、おいおい、その点を理解していっていただかないとならないですね。 まあ、そうは言っていても、うまく使われているなと感じることもありますけどね。 人間が中心にいるからには、愛護も虐待も、時と立場によって実にさまざまに変化していきます。同じように見えても同じではない、同じものを見ていても見る者の感じ方によって違う形に写ります。まして、人づてとなると実態が見えなくなります。
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