動物の愛護掲示板過去発言No.6000-200712-50
葬儀に参列した猫 |
投稿日 2007年9月3日(月)11時28分 投稿者 プロキオン
先の投稿で紹介した猫ですが、この猫は元々は、伯父の家の猫ではなく隣家で飼育していた猫です。 それまでも時々出入りしていたそうなのですが、お産の際に伯父の家が気に入ったらしく、そのまま住み着いてしまって本宅に帰らなくなってしまったのだそうです。伯父も本人が帰りたくないならしかたないと言って、餌をあげてかわいがっていたことが発端みたいです。そのためか、伯父によく懐いてしまっていたのです。 伯父が亡くなった時も、伯父が寝ている部屋に入りたがっていたので、伯母が根負けしていれたところ、その枕元で夜を明かしたのだそうです。 ですから、伯母も葬儀のときにも「お前もここにいるか?」と席を用意してあげたのです。葬儀ですから、人の出入りもあわただしく、普通であれば猫がもっとも嫌うところなのですが、餌も食べに行かず、トイレにも行かず、ただ座布団の上でおとなしくしていました。ですから、近所の人たちも、よく躾けられた利口な猫だと話をしました。 でも、これは躾けではなく、本当に猫の自発的な行為だったんです。 葬儀の後、その猫は家出してしまったのか、しばらくの期間、姿を隠してしまったそうです。伯母も「そんなにお父さんのことが好きだったのか、猫とはいえ、偉いものだ」と話していました。 その後しばらくして、猫は身を寄せるところが見つからなかったのか、それとも、伯父の家のことが忘れられなかったのか、戻ってきました。 伯母はとくに何を言うでもなく、当たり前のように迎え入れてあげました。 伯母が亡くなったときも、猫は伯父のときと同じように葬儀に参列したので、従兄弟は、「自分の時にも、参列してくれたのだから、母も満足しているだろう」と言いました。 従兄弟は、私よりも大分年長なのですが、子供がいませんでした。そのために猫も煩くない静かな家ということでお産の場所として選んだのだと想像しています。 その猫は、私も診察して感じたのですが、キツイというのではないのですが、性格としては気が強い方の猫です。「我をもっているが、周囲の情況も理解している」という感じなのです。 伯父も伯母も孫の顔を見ることがなかったので、私たち従兄弟達の仲人に とても熱心でした。従兄弟達が結婚して大勢子供達が生まれたら…と考えていたようです。 そんな伯父夫婦でしたので、猫の方も懐いていたのかもしれません。 その猫も、亡くなってすでに7年になろうとしています。従兄弟夫婦に見送られました、名前はチーコと言います。 猫であっても、時として人間のように振舞うこともありますし、そういうことがなくても家族には違いないように思います。
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