害獣・害鳥などという評価は所詮人間の都合でしかありません。農家が多かった時代であれば、スズメも稲穂を食べる害鳥であって、お米の糊をたべるスズメは「舌切り雀」になってしまいました。今では、スズメもむしろ「稲につく害虫」を食してくれる益鳥という評価になっていますよね。
スズメも鳩も、それぞれスズメであって鳩であるだけのことです。大きな声が、よく通る声がその評価となっているにすぎません。

団地や民家で鳩が巣をつくることでの苦情が多ければ、迷惑な鳥であって害鳥となりますが、鳩レースをやっている者達からすれば、何百万円ものお金を投じて海外から種鳥を輸入したり、世話にも並々ならぬ情熱を傾けています。彼らから見れば、「害鳥」などという概念は微塵も感じられません。
が、しかし、そんな鳩飼いさん達も　レースや訓練の邪魔となる猛禽類、とくに人家近辺までやってくるオオタカは身の敵にしていて、花火で追い払うくらいだけでなく、なんとかひねり潰してやろうと考えていたりします。猛禽の保護活動や自然保護活動に関わっている人たちから見ると、とんでもない考えということになりますよね。

結局、立場や利害が絡めば、どちらがどうのこうのと主張してもお互いに譲ることもできないでしょうし、ますますエスカレートしていくだけのことでしょう。
人間と野生の動物が共存できるのかというよりも、主義主張の異なる人間達が共存できていないということが本質のように思います。

＃　ただ、ネットを介しますと、どうしても面白おかしく煽り立てる者が、どのように真剣な話にも、むしろそういう話にこそ出現するようで、困惑します。