動物の愛護掲示板過去発言No.6000-200812-4
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投稿日 2008年4月2日(水)01時19分 投稿者 ちゅんちき
うちのラボにもサル(カニクイ)がいますが、実験の様子を写真に撮れば、知らない方が見れば十中八九虐待だとおっしゃることでしょう。実験用に繁殖された動物であっても、サルはほとんど人に馴れません。残酷だと言われようが、力ずくで押さえ込まないと実験できないんですね。ちょっとでも隙を見せれば、噛まれてしまう。サルは人間に近い分、共通の病気も持っています。アメリカでは実験中サルに噛まれて、亡くなった人もいると聞いています。サルの実験は、人も動物も命がけなんですね。 人はサルを無理やり捕まえて投与しますが、サルだって負けちゃいませんから、ウンコ投げてきたり給水ノズルから水鉄砲発射されたりもします。サルにしてやられると、そりゃもう悔しいんです。サルの担当者はよく「あの野郎・・・」などとうそぶいていますが、その言葉の奥底には愛があるのですよ。 イヌの試験でも、場面によってはひどいことをしていると思われる場合もあるでしょう。でも、その背景を知らなくては本当のことは分からないのです。虐待しているのではないかという目で見れば、何だってそう見えてしまうものなのです。そういう意味で、写真やビデオ映像というのはあまり信用できないのです。 痛みの感じ方やストレスの感じ方は動物によってみんな異なります。人間の感覚で、「かわいそう」というのは見当はずれな場合もあります。人間と日々バトルを繰り返すのを楽しみにしているサルもいるかもしれず、動物の気持ちは計り知れません。 治験を受ける患者さんの気持ちを考えるときがあります。動物試験を経ているとはいえ承認前の薬ですから、場合によってはとんでもない副作用が出るかもしれない。それで亡くなる方もいます。あるいは全く効かないかもしれない。それでも、新薬に賭けたいという切実な思いは、病気になった方やそのご家族にしか分からないのだと思います。以前、自分の文鳥が病気になって「薬が効かない」と言われたとき、その言いようのない苦しい気持ちの片鱗をほんのわずかながら垣間見た気がいたしました。
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