動物の愛護掲示板過去発言No.6000-202111-164
Re4:欧米人の考え方。 |
投稿日 2015年3月18日(水)11時25分 投稿者 プロキオン
ちょっと気になったので。 >人間が掛かるホームドクターでは「こちらの薬は余り効かないけれど、安上がり。あちらの薬はすぐに治るけど、もの凄く高いですが、どちらにしますか」と聞かれることは普通です。うちの母に通訳したところ仰天して、「余り効かない薬を買う人なんていないのだから、無駄なことを言う医者ね」と言っていましたが 医療保険制度が我が国とはまったく異なりますので、ここは必ず確認しておかないとならない点ですし、それを怠っていれば訴訟になれば敗訴しますし、医療機関の倒産にも繋がりかねません。 例をとりますとアメリカであれば、65歳以上の高齢者と障害者等のために「メディケア」が、最低所得者層のための「メディケイド」という2つの公的医療保険制度がありますが、それぞれ問題点が指摘されています。 簡単に言ってしまうと、それぞれの保険において摘要となる医薬品の制限があり、Aという医薬品の服用を希望するのであれば、「自費でどうぞ!」ということになります。保険を扱っている州政府の方からの支払いがなければ、低所得者では1ヶ月40万円に及ぶ抗癌剤の服用はできません、でも、1回5000円程度の安楽死薬なら自己負担なしで保険から支払ってもらえます。 そんな状態でも、低所得者層が増えている州では、医療保険の支払いに耐えかねてしまっているところが増えているのだそうです。このために皺寄せは患者と医療機関に押し寄せてしまい、医師もワーキングプア、病院も倒産しかねないという事情があります。 ですから、病院としては来院した患者がどのような医療保険に加入しているかはとても大切な情報となりますし、公的医療保険制度の加入者であれば、一応このような薬はあるけれども自己負担できますか、保険摘要となるのはこちらの薬ですと確認しなくてはなりません。 病院による一時立替となりますと、低額医療保険患者の数からいって、病院そのものが倒産に追い込まれかねません。では、どうしたらよいのかと言ったら、患者自身に決めさせるしかないと思います。 つまり、効果があまりないとされる薬であっても、そちらしか選択肢がないという人々は少なからず存在しているのではないかと考えられます。 アメリカにおける自己破産の理由というのにも、医療費の支払いという理由が多くを占めているようで、問題としてはかなり大きなものとなっています。 また、医療費が高額になってしまうことの原因のひとつとしては、医薬品メーカーが自由に価格を決定できてしまう仕組みがあるからとされています。メーカーが自分で価格を決める事ができる事のどこがおかしいのかと思われるかもしれませんが、そこはそれ日本の医療制度では、国がそこに口出しをできる余地があって、新薬の開発費を急いで回収したいというような価格には容易にOKが出ないようになっています。 院長も、医師でなければという制限もありますが、これも医療がお金儲けに走らないようにという足枷のひとつですね。 「規制緩和」というと何事も良い事のように受け取られがちですが、中には規制によって守られていることもあるわけです。 ーーー患者が安楽死を選ぶ場合、医師は処方箋だけは書くが、服用は自己責任で行われる。 オレゴン州の薬剤師の多くは、カウンター越しに薬を渡しながら、親切にこう説明してくれるという。 「いいですか、服用する際はアルコールか軽いスナックを食べてからにして下さい。そうすれば胃が荒れずに、薬が体内でスムーズに吸収されますからね。」 堤 未果 著 沈みゆく大国アメリカーーーー 医療制度も死生観も国が異なれば、違ってくるものだなと思いました。
|
|
|
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」 ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴) サポーターや広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)、 多くの人々に支えられています。 獣医師広報板へのリンク・サポーター募集・ボランティアスタッフ募集・プライバシーポリシー 獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。 @mukumuku_vetsさんをフォロー
Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved |