動物の愛護掲示板過去発言No.6000-202111-366
Re4:動物を譲渡することがゴールなのか? |
投稿日 2017年1月17日(火)19時13分 投稿者 プロキオン
行政が殺処分数にこだわるようになると、最も簡単な方法として犬の引き取りを拒めばよいのです。文字通り「殺処分」を実施しないのですから、数値目標を達成でき、成果がすぐに目に見える形であらわれます。 けれども、前段階や途中を端折ってしまっていますから、生まれてくる犬や猫の数は減ってはいない。だから、その辻褄あわせをどこかでやらなくてはなりません。 譲渡先が、いつまで引き受けることができるのか、その飼養形態が劣悪化していないかは、誰が担保してくれるのか? 本来であれば、殺処分の業務から解放された分の業務として、愛護センターや管理センターが、子犬・子猫の生産現場への監視指導や譲渡先団体への援助として立ち入り看視や、疾病や外傷の治療援助を担うべきところです。 そのような多岐かつ広範な相手への業務を視野にいれていてのうえでの、「殺処分0」を標榜しているのか、疑問に感じざるを得ません。 とくに政治家や首長が殺処分0を標榜してしまうと、余計に短絡的な手段に走ってしまいかねないように思います。 本来の「殺処分0」は遠い目標であり、容易に達成できるものではないはずなのです。飼い主一人ひとりの啓蒙と意識改善によってこそなしえるものであり、そんなに簡単に達成できるものではないはずです。 また、譲渡先が無尽蔵にあるのなら、過去においても達成できていたはずです。 「殺処分0」を簡単に口にする人を見ると、事の本質を理解していない人、あるいは、真剣に考えていないのではないかと危惧されてしまいます。 目標として目指すことには、一向に問題はないのですが、どのようにして達成するのかの方法論こそ、知恵をしぼらなくてはなりませんし、それこそ地に足の着いた施策を実施していただかなくてはなりませんね。そんなに簡単な話であるわけがないのです。
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