動物看護師掲示板過去発言No.7000-199910-22
動物看護士のこれから |
投稿日 1999年8月31日(火)17時06分 林 文明
開業獣医師の林です。 結論から先に言うと動物看護士が国家資格になる可能性は、あと20年、30年、ひょっとすると一生無理かもしれないと思っています。 私としては、国家資格にしない限り、待遇は一生良くないし、動物病院のレベルを上げるためにも、国家資格にすることは必要だと思っています。 看護士の方、また看護士を目指そうとしている方には、きつい話かも知れませんが、これが現状です。 毎度、海外の話で恐縮ですが、アメリカでもVTは国家資格ではありません。 アメリカのVTは各州の認定資格です。 本場のアメリカでさえこの状況ですので、当然日本では国家資格はむずかしいでしょう。 では、看護士たちはどこに希望を見出せばいいのか、という話になりますが、各人が自分のレベルをあげて、自分たちはこれだけの仕事ができる、という自負を持つことだと思います。 そして、獣医師にその重要性を見い出させなければなりません。 現状では、看護士の人たちがどんなに国家資格にしなければならないと考え、行動を起こそうとしても、獣医師の全面的な協力がないかぎり何もことは進みません。 獣医師をうまく利用して(言葉は悪いけれど)方向付けをしないかぎり、たぶん100年たっても何にも変わりません。 動物病院で働くことは、毎日嫌がる動物に注射をしたり、うんちやおしっこにまみれて働くことです。 今働いている人で、給料がいいから、休みがたくさん取れるから、かっこいいから、といった理由で働いている人は皆無でしょう。 ただただ、治る動物の姿のため、喜ぶ飼い主さんの笑顔のために働いているのであって、決して動物が好き!なだけで働いている人はいないし、働きつづけることは不可能だと思います。 そんな看護士にに感謝しなければ、私たちの病院は成り立ちません。 私たち獣医師もできる限りの協力はしますのでVTの皆さんも自分を高めて、邁進してください。 余談になりますが、AHTという言葉は日本だけで使われている言葉です。 看護士は、アメリカではVT(Veterinary Technichan)、ヨーロッパではVN(Veterinary Nurse)と呼ばれています。 現在は、グローバルスタンダードの時代です。 みなさんも AHTなどと呼ばさずに、VTと呼ばれてみませんか? |
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