獣医師広報板ニュース

動物看護師掲示板過去発言No.7000-200104-59

姫さんへ
投稿日 2001年4月21日(土)17時24分 ドクターJ

姫さんへ

>私の一個人的な考えですが、
>狂犬病予防注射の集合注射の必要性が
>現代の日本にはそれほど無いような気がしています。

こういう影響力のある掲示板で、このような発言は
控えたほうが・・・。

>昔、交通手段も病院も少ない為、行政が獣医師に依頼して
>市や町のいたる所で行われたのがきっかけですよね?
>今は、特別の地域を除いては、それほど必要が無いのでは?
>むしろ、診察を受けずにワクチンを受けさせる方が
>犬にとっても大きいリスクを背負う事になりかねません。
>その上、集合注射では飼い主さんに今の日本にも狂犬病予防の必要性や、
>意味などがあまりうまく伝わっていない気がします。

集団接種の必要がなくなると、接種率が大きく減少します。
このままの形態をとるべきと思います。
また、診察は、問診という形で行われるように
日本小動物獣医師会からちゃんとマニュアルが出ております。
それに細かく問診票の取り方なども記載されています。
あとは、それを各獣医師会と各行政機関が実施するかということにかかってきてます。
私たちの地域では、問診医を2名配置して、その日の体調などの聞き取りと
他のワクチンの接種日、過去の接種での異常の有無を聞き取り、
また、犬自体を観察して注射の可否を判断します。
昨日も数頭の犬が、他のワクチン接種をしており、狂犬病ワクチン不可となっております。
それは、そういうマニュアルの存在を知らなかったり、
または、軽く考えている人達の為に起こっております。

>狂犬病予防のワクチンによる副作用は
>混合ワクチンと同じ位出ているのではないでしょうか。

私たちの地域では、過去5年間のデータを持っていますが、
私たちの地域では、5年間注射による副作用は報告がありません。
しかし、微細な副反応と思われるものは、数例報告があります。
ジステンパーの混合注射による副反応・アレルギーの方が
遙かに多いですね。

ここで、でも考えなければいけないのは、
この狂犬病予防注射は、犬のためではなく、
人間の為にあるということです。
だから、この事業は農水省管轄ではなく、厚生省管轄です。
ですから、ある特別な場合(知りたければ、後日書きます)を除いては、
どんな犬でも接種しなければならないのです。

そして、そのような中で、我々は接種率を維持して
且つ、事故の起きないような注射方法を検討していくわけです。

日本に狂犬病が入ってくる恐れは、常にあるのです。
どこぞの元首相が規制緩和なんてやったから・・・わけのわからん動物が
山ほど入り込んでくるわけです。
関東・首都圏で、人用の狂犬病ワクチンをおいてある病院は、
たった1カ所というのをご存知ですか。
都立駒込病院の小児科だけです。
そちらの高山先生が、狂犬病の第一人者です。

AHTの皆さんもセミナーにその先生を呼んで
話を聞いてみたら?
狂犬病の恐ろしさと認識の不十分さを理解します。

ちょっと的が外れたかもしれませんが、
あまりにも感染症を理解せず、軽んじている獣医師が多いことが
大変悲しむべきことです。
獣医師が理解してないから、そのスタッフも理解できないわけです。
ちゃんと、勉強しよう!

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