獣医師広報板ニュース

動物看護師掲示板過去発言No.7000-200104-86

獣医師の責任ですね
投稿日 2001年4月25日(水)18時53分 Vet AKI

ここは、クローズのBBsではないので、控えて書いたつもりなのですが、
やはり、はっきり、させておいたほうが良いのかもしれません。
以前、書きこんだとおり、私の病院でも、色々、問題が起きたことがあったので、
調べたことがあります。
理想論はともかく、動物病院も、社会の中のルールは守らなくてはなりません。
医療行為は、常にリスクを伴うものであり、昨今の医療事故をみてもわかるとおり、
事が起こったときにリスクは常に、患者さんに廻ります。
経営上の問題ろか、人手の問題とか、感情論よりも、
患者さんが第一ではないでしょうか。
法律でも、患者さんは、診療契約を結んで、最善の治療を受ける権利があるのであり、
獣医師には、法的責任があります。
説明義務・予見義務・結果回避義務・注意義務があります。
「経営上」からは、施設の開設者は監督義務と使用者責任があります。

池本卯典先生によれば、
「獣医療(業)においては、獣医師と人工授精師以外には、獣医行為・人工授精行為を
法律上許されている者はいない。医療における判例では、医業類似行為とは、
疾病の治療または保健の目的をもって、光熱器具、器具、その他の物を使用したり
応用したりし、または、四肢や精神作用を利用する施術行為であり、医師など
認められた資格を持たない者の診療や施術をいう・・・・中略・・・・・・
獣医療においては、すでに獣医看護士と称する委任団体の認可した職業は実存する。
現状では、獣医行為に看護行為は含まれると理解されており、獣医療には、国家の
認めた看護士制度は制定されていない。したがって、獣医看護士の行為は
放任された獣医業類似行為といわざるを得ないだろう。」

国家資格をもっている看護婦はどうでしょうか。これについても、
何でもできるというものでもありません。あくまで、
「診療の補助業務として、相対的医行為を行うことがある」というもので、
「医療行為の主体者は医師であるから、看護婦の医療行為は主体者の補助として
主体者の指示により行うものであるから、医療行為が医師の医学的判断・技術を
もってするのでなければ衛生上危害を及ぼすおそれのある行為とされる以上、
看護婦の医療行為であっても、医師と同程度の医学知識・技術をもって
行わなければならないことになる。
言い換えると、看護婦の医療行為は看護婦の注意・技術能力が医師の注意・技術能力に
達しているある範囲の医療行為についてのみ診療の補助行為として適法となる
ということなのである。これを相対的医行為といい、医師の指示(指導監督)によるも、
これに達せず、医師自ら行わなければ人体に危害をおよぼす恐れのある医療行為は
絶対的医行為であって、看護婦には許されないことになるのである。」

これは、弁護士さんの書いた本なので、法律用語が多くて
むずかしいですね。
書いていると超長文になってしまいます。

実際に静脈注射で、誤って動脈に注射して壊死を起こし肘関節から切断手術になる
事件では、看護婦は業務上過失致傷罪で処罰されています。

私は獣医看護士の存在を、否定するものではありません。
以前書いたとおり、看護をしてほしいのです。

そして、違法的行為を強いる獣医師に怒りを覚えます。
患者さん・看護士さん双方に、獣医師の義務と責任を放棄して、
リスクを転嫁する、危険な行為です。

ここはクローズではないので、一般の方が、読んで
動物病院に不信を覚えることを心配しています。

雇用されているのであれば、看護士さんからは、「やりません」とは言えないでしょうし
これは、獣医師の責任ですね。
やっぱり・・・悲しいです。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:日本ベェツ・グループ 三鷹獣医科グループ&新座獣医科グループ 小宮山典寛様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。