獣医師広報板ニュース

動物看護師掲示板過去発言No.7000-200202-13

誤解です
投稿日 2002年2月7日(木)23時08分 シッポナ

私の書き込みで、プロキオン先生に不愉快な思いをさせてしまったのなら謝ります。先生が安楽死を望んでいるなどとは決して思っていません。病院で命に関わっている方達が、そんなことを望んで仕事をしているなどとは思いません。
私は、命に対して責任を持って仕事をしていると思っています。今回きっかけとなった骨折の猫さんに対しても、最後まで責任を持つ覚悟を決めたから、安楽死を選ばずオペをして生きて行かれる道を選びました。前回の書き込みで「まだまだ悩んでいる」と書いたのは、里親を探そうか、病院で一生面倒見ようか、を悩んでいるわけで、これから安楽死をしようか・・・と悩んでいるわけではありません。
南里さんの「猫の森」の事も知っています。自分が老人ホームに入ってしまうから・・・と、可愛がっていた猫さん、ワンちゃんをお預かりし、責任を持ってその子達の一生を面倒見てあげた事もありました。今私が関わっている命、守ってあげなければいけない命、必ず最期まで看取る覚悟で受け入れました。すでに十何匹居ようと、この子は私が守ってあげよう!と心に決めて育てました。
新しい命が増えたからと言って、先住猫達の生活にストレスが掛からないよう、みんなが「幸せ」と思ってもらえるよう、気を使って生活スペースを共有してもらっているつもりです。先生にも、他の誰かにも頼ることなく、私が看てあげようと決めた子達です。
いつの日にか必ず限界は来ると思います。その限界に達したとき、また考えが変わってしまうかも知れませんが、今の私には、育て上げ一緒に暮らした子達への安楽死はできません。私個人が「できない」と思っているだけで、それを選択した先生や病院を責めるつもりはありません。守るべき命のために選択した安楽死、里親を一生懸命探してあげた末の安楽死、決して間違ってはいないと思います。ただ今の私にはできないのです。
ウチの院長は、プロキオン先生の言う「え〜かっこし〜」の人間です。事故で運び込まれた子達を「お金はいいから、面倒も病院に任せてください」と預かり、結局治療もしてくれず放りっぱなし、見かねた私があれこれ無い知恵を絞り元気に暮らして行かれるまでにしましたが、忘れた頃に「邪魔だから安楽死でもしようか」と、ふざけたことを言ってくれます。「じゃぁ、何で引き取ったんですか?」と聞くと、「その方が病院の為になるんじゃない?」と。私にはこの院長が理解できません。病院の印象を良くしたい、自分を「いい人」に見せたい、それだけのように思えてしまうのは私だけでしょうか。
命の在り方を考えなくてはならない私がそれでは困る・・・と言うことは、処分できないからと言って際限なく受け入れ、ズルズルと頭数を増やし、社会から、飼い主さんから、非難を浴びるようになる看護士だと思われているのですね。それはそれで結構です。私の言っていることはきれい事にしか聞こえないかも知れません。私は飼い主さんに「個人」として見られているとは思っていません。病院にいる私も、家に帰ってからの私も、動物病院の看護士という目で見られています。先生に相談できないこと、病院の留守電に入れても先生が応えてくれないとき、は、私が個人的にできるだけのことをしてあげようと努力しているつもりです。
先生方には及びませんが、今までたくさんの死に直面し、優先するべき命を選択し、助け守ってきたつもりです。私の考えが、先生方や動物病院全体にご迷惑をかける結果につながってしまうのなら、謝らなければなりません。しかし、私が看護士として今までやってきたこと、先生方には認めて貰えないかも知れませんが、私は間違ってはいないと信じたいです。まったく働かない院長、自分勝手で話を聞かない獣医師、そして理想論ばかりの私。でもこの中で、我が子の命を助けたい飼い主さんのお気持ちを分かってあげられるのは、私しか居ません。毎日の飼い主さんとのお話の中で、私がするべき仕事がたくさんあることに気付かされます。
今は、私を頼ってくださる飼い主さんや、私が受け入れた命達の為にしなければならないことを精一杯やって行くしかないと思っています。私の考えは理解してもらえないかも知れませんが、決して安易に命を受け入れているわけではありません。受け入れた命には責任を持っていますし、その命を最期まで守っていく覚悟はできています。医療従事者に託された使命、そのような場面に遭遇しても重い責任から逃げようなどとは考えません。こんな情けない看護士が何を言っても信じてもらえるとは思いませんが、私は命に対してとことん向き合って生きて行くつもりです。

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