獣医師広報板ニュース

動物看護師掲示板過去発言No.7000-200202-2

さくら先生へ
投稿日 2002年2月1日(金)02時31分 パールちゃん

犬飼いのパールです。

「不妊手術を施して、野に放つ」ということを、
「生きる権利」ということといっしょに考えるのは無理があると思います。
それは別問題としてとらえないと捨て猫・野良猫のことは前に進まないと思います。

不妊手術を施して、野に放てば、たしかにその個体については1代限りの問題ですが、
結果は野良猫の総体数を増やすこと、野良猫が苦労して生きていく事態を容認することになってしまいます。
野良猫自身の採食の苦労や交通事故による死や苦痛の確率が増やすことにつながるのは、
私としては否です。

統計が取れているかどうかはわかりませんが、
猫の飛び出しによる人身交通事故はかなりの数にのぼるはずです。
野良猫が増えることによって起こる不幸、それは猫自身のためにも他の命のためにも、
不幸に向かっていく道だと思います。

しかし、現実として、じゃどうすればいい? は私にも光が見えません。
「かわいそうな子」のラベルをつけたとしても里親探しが困難なのはわかります。
獣医師会や市町村や愛護団体主催で定期的に大々的に里親探しイベントをする?
癒しのパートナーとして高齢世帯に積極的に迎えてもらうことを画策する?
寄付を募って猫シェルターを設立する?
いろんな考えが浮かんでは実現に至るまでのマイナスを思い、考えが先に進みません。

ですが、今すぐできること、しなければならないことはあります。
それは捨てないこと・増やさないことです。
「もう、これ以上、捨てない・増やさない」を発言や行動で本当に効果があるように実行しなければ。
ここで食い止めないことには、いつまでもイタチごっこになってしまいます。
それには個人や愛護団体、愛好家グループだけでは力不足です。
獣医師会と行政が本気にならないと叶わないことだと思います。

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