動物看護師掲示板過去発言No.7000-200712-25
Re:Re:Re:動物看護師について<プロキオンさん> |
投稿日 2007年9月1日(土)12時19分 投稿者 プロキオン
いえ、話が観念的すぎて分かりにくかったですね。読み返してみて、自分でもそう思います。 実は、このような質問は以前にも他の掲示板で出たことがあるのですが、現場で働いていると意外に見えてこないのですよ。それが、つまり、「今」診療していることに追われていて、「今」治療している患者のことに意識が向いてしまっているからです。 ほとんどのことを勤務医に任せていても大丈夫というくらいになっていて、ある程度のまたまった数のカルテを整理しているようなときに、ふと考えたりするような問題なんですよ。 近所に動物病院が増えてきたぞ、「患者さんをそちらに奪われないようにするには」「新設の病院との差を出すには」というような具体的な事情があると、すぐにでも向き合わないとならないのですけどね。 そういう思惑が必ずしも功を奏すとも限らないのですが、抑えておいて外れないであろうというところは、いわゆる「老人医療」ではないかと思います。とくに都市部の犬猫を対象とした診療であれば、そういう需要は年々増えてくるのではないかと考えています。 「動物の飼育者と現状の動物医療との認識の落差がありすぎる」 こちらの方は、動物によっては求められる治療ができないことにあります。例えば、人間の白内障の手術であれば、昨今は「日帰り」で入院の必要はありません。でも、犬であれば、人間の手術よりもずっと難易度が高くなります。これは眼球の構造と眼圧の違いがあるからです。「人間が日帰りなのだから、犬だってそれができるはず、動物病院が設けるために わざと入院を長引かせている」と解釈する方達はおられます。 また、犬にできるのであれば、ネコでもウサギでもやってくれという希望も出てきます。これらの動物であれば、できなくもないのですが、文鳥やハムスターとなると話は別です。飼い主さんは、自分の飼育している動物を中心にして考えていますから、動物による医療事情の差までは考えが及びません。 また、雑誌に出ていたから、うちの犬の白内障を手術してくれといきなり言ってくることもあります。動物病院は、その殆どが個人商店ですので、白内障の手術の可能な設備を だいたい2000万円くらいを すぐに使えるように整備しておくということは、普通に考えれば無理です。また、設備を備えたとしてもそれで手術をしてよいわけでもありません。 やはり、練習を積み重ねてからということになります。 心臓疾患の場合も、僧帽弁の異常をもった犬は多く見られます。普通の動物病院であれば、ACEと呼ばれる系統の薬剤を処方することになるはずです。でも、中には大学病院でもなかなか手をつけないような人工弁への置換手術を手がけるような動物病院も存在します。 マスコミでこのような先駆的な病院が紹介されると、手術してくれという飼い主さんが出てきます。でも、その希望には応じかねるというのが、ほとんどの病院の回答になるでしょう。そのくらい積極的な飼い主さんがいる反面、心臓への内服薬すら服用させていない飼い主さんもまた存在しているのが現実なのです。 動物病院は、内科・外科・産科だけでなく、歯科も眼科も循環器科もすべて、持ち込まれますから、おのおのについて、それだけの落差が生じてくるとことになります。 動物病院に求めらるものは、そこれこそつきません。さまざまなものが、出続けることでしょう。 できないことはできないのですが、それをただ突っぱねるだけなら、「商売」にはなりません。説明して理解してもらってが必要です。これは結構大変ですよ。飼い主さんとくっつきすぎず、離れすぎずの上手な距離をとらないとなりません。この距離は病気の説明のときも必要で、動物病院のトラブルも大抵の場合は、この目測を誤ってしまった場合ではないかと考えています。 人間関係が、物凄く重要なんです。病院の院長先生がAHTさんに期待しているのも、実はこの部分が最も大きいのではないでしょうか。
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