獣医師広報板ニュース

トリマー掲示板過去発言No.7100-200012-66

マキさんへのアドバイス
投稿日 2000年10月2日(月)22時16分 まい

マキさん、わたしもシーズ−に噛まれ腕に膿がたまり手術したことがありますがそれを乗り越えてきました。
噛まれるのは確かに恐いです。でも、彼らは誰にでも噛み付くわけではないことをマキさんだって知って
いると思います。トリマーがベテランだったり優しい人だったり、同じ仕事をしているのにめったに噛ま
れないトリマーがいます。なぜでしょう?犬の心が読めるからです。犬の小さな動き、しぐさ、表情から
犬の喜怒哀楽が読めているのです。すると犬が噛み付くという最大の攻撃であり防御に出る前になだめた
りいったん別の作業をして犬の気をまぎらわせてあげたりできるからです。犬は言葉がはなせません。噛
むというのも重大な意思表示の手段です。でも、ほとんどの犬は気軽な気持ちで噛んでくるのではありま
せん。恐怖と緊張が高まって噛むという攻撃(犬にとっては最後の手段)に出るのです。そしてそんな状
態に追い込んでしまうのはたいていの場合トリマーです。いろいろな言い訳はあります。「犬がわがまま
だった」「落ち着きがない」「ふだん甘やかされて生活してる」等。でも、トリマーである以上犬は私達
の先生であり噛んでくるのもありがたい指導の一つです。かんでくる犬のときほどやる気をだして「こん
な犬(先生)なんかに絶対負けない。絶対に自分の手で美しく仕上げてみせる。」そして、「噛むならか
め、お前に噛まれたってあたしはなんともない」(実際慣れて来ると犬の攻撃パターンや動きが読めるの
でよけられるし、かみ傷もあまりはれずすぐなおる)というくらいの気持ちでトリミングにのぞめるよう
になるともう一人前ではないだろうか。恐がるばかりでも、可愛がるばかりでもいけない、とっ発的な事
故にも気をつけ、犬もトリマーも怪我なくそして楽しく美しく可愛く仕上げて飼い主さんにお返しする。
見た目よりもずっと大変な仕事ですが、こんなにやりがいのある仕事はありません。マキさんも犬に認め
てもらえる喜び、最初は不安そうだった犬がだんだんとトリミングテーブルの上でくつろいで気持ちよさ
そうに自分に身を任せて爪切りやカットをさせてくれている・・・作業が終われば犬もそして飼い主さん
も嬉しそうにしてとても喜んでくれる・・・こんなトリマーになってください。本当に犬がすきならば、
必ず、噛んでくる恐怖は乗り越えられるし、噛まれないトリマーになることができます。応援しています。
P.S 本当に具体的にいうならかみ犬の恐怖を乗り越えるには、より多くの犬にかまれる事です。(笑)そ
れによって、どういう時に犬がかむのかを考え、どうすればかまれないですんだのかを反省することがで
きるからです。そして犬にかまれても死ぬことはまずないし そんなことよりも犬が与えてくれる喜びの方
が大きいということに気がつくからです。

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