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愛、アムール |
2012年 フランス・ドイツ・オーストリア
ロマンス
<監督>ミヒャエル・ハネケ
<キャスト>ジャン=ルイ・トランティニャン , エマニュエル・リヴァ , イザベル・ユペール
<ストーリー>
音楽家の老夫婦、ジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)とアンヌ(エマニュエル・リヴァ)は、静かな老後を二人で送っていた。しかしある日、アンヌは、突然の発作、手術の後、半身不随になってしまう。ジョルジュは、そんなアンヌを献身的に介護するが・・・。
<感想>
落ち着いた老夫婦の静かな日常。
でも、それは、突然終わりを告げる。
歳を取ってくれば、病気や、障害は避けては通れないものとは分かっていても、それはあまりにも突然で、残酷なものでした。
監督は、ミヒャエル・ハネケ。
この監督の作品は、見終わると、いつも、ストレスを感じるのですが、この作品は、共感と感動を持って見終わることが出来ました。
愛する人が、突然病気になり、体の不自由な状態になってしまった時には、色々な選択肢があるはずです。
でも、この夫婦は、あくまでも、二人で生活することを選ぶのです。
でもそれは、思っていた以上の困難を伴うものだったのです。
いわゆる、老老介護ですからね。それは、大変だと思います。
そして、最終的に、夫婦が取った選択は・・・。
それは、一番まわりを悲しませる選択だったかもしれません。
でも、ジョルジュの気持ちは、とてもよく分かります。
このまま、悲しい介護を続けて、いえ、このまま、生き続けて、二人には、いったいどんな未来があるのでしょう。
ただ生きているだけの日々に、どんな価値があるのでしょう。
それでも生きていて欲しいと思うのは、まわりの家族の思い上がり、もしくは自己満足に過ぎないのかもしれません。
手を尽くしてから逝ってくれたら、それはそれで、まわりは、満足感や充足感やり遂げた感が得られますから。
でも、本人はどうなのでしょうか。
私は、彼の選択は、愛がある故の、正しい選択の一つだったと思います。
この後、彼は、どうしたのか。
そこが描かれていないのは、やっぱり、全てを映像で見せることをしないハネケ監督ですねぇ(笑)。
主演の二人がすばらしい。
特に、アンヌ役のエマニュエル・リヴァの演技は、しっかりしている時と、病気の時との表情の違いは、とてもリアルで、見ていて、悲しくなりました。
彼女は、「二十四時間の情事」(「ヒロシマモナムール」)の主演女優だったんですね。
若い時も綺麗でしたが、ご高齢になられても、素敵です(^_^)。(2015,05,04)
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