シネマチェックトップページ50音別indexア行index

愛されるために、ここにいる      


2005年 フランス コメディー・音楽・ロマンス   

<監督>ステファヌ・ブリゼ
<キャスト>パトリック・シェネ , アンヌ・コンシニ

<ストーリー>
50歳でバツイチのジャン=クロード(パトリック・シェネ)の仕事は、裁判所の執行官。家賃滞納者に立ち退き通知を渡したり、強制立ち退きに立ち合ったりする、気の滅入る仕事だった。また、老人ホームにいる父親(ジョルジュ・ウィルソン)や、息子(シリル・クトン)との関係にも、彼は、疲れ気味だった。そんなある日、医者に運動を勧められ、以前から気になっていた、職場の前にあるタンゴ教室に通うことにする・・・。

<感想>
懸命に生きてきた人生。ふと立ち止まると、仕事には情熱を持てず、家族とも、ぎくしゃくしてしまう毎日。そんな人生に疲れを感じるジャンは、心機一転タンゴ教室に通い始める。
仕事柄、きまじめな彼は、タンゴのレッスンにも、一生懸命。そして、ある日、ダンス教室で、昔の知り合いの若い女性に出会う・・・。
その女性との、出会いが、彼の心に、活気をみなぎらせ、人生の色を明るく変えるのですが・・・。

息子との間には会話もなく、頑固な父親の元を訪問すれば、けんかばかり。どうして人間って、こうなんでしょう。客観的に見たら、どうすれば、人間関係がスムーズに運ぶかが、一目瞭然なのに、どうして、こうも、変な意地を張ったり、自分だけが被害者のように感じたりしてしまうのでしょうねぇ。

それは、彼のお父さんにしても同じ事。もっと素直になったら、もっと楽しい余生を送ることも出来たでしょうに・・・。生きることに不器用な人って、やはりいるのでしょうねぇ。
父親の本当の思いを知ったとき、ジャンは、どんな気持だったでしょうか。

この邦題、どういう意味かなと思いながら映画を見ていましたが、見終わってみると、とてもいい題名でした。
本当は、誰でも愛されたいと思っているはずなのに、なかなかうまくいかないのが人生。自分の気持ちに素直になれたら、それだけで、幸せへの道筋がつくかもしれません。

主人公のジャンをパトリック・シェネが、味わい豊かに演じています。最初は、人生に疲れた男が、ぎこちなくタンゴを踊るのですが、それが徐々に、上手に、そして、感情のこもったダンスになってゆきます。ラストは、とてもセクシーでございました(^^)。

ジャンルはコメディーに入っていましたが、ガハハと笑えるようなコメディーではありませんので、お気をつけください(^^)。(2008,02,07)



シネマチェックトップへ