歩いても　歩いても　　　　　　 ２００７年　日本 　　　 ＜監督＞是枝裕和 ＜キャスト＞阿部寛 , 夏川結衣 , 高橋和也 , 樹木希林 , 原田芳雄 ＜ストーリー＞ ある夏の日、年老いた両親（原田芳雄、樹木希林）の住む家に、二人の子供（阿部寛、ＹＯＵ）が、家族を伴ってやってくる。その日は、１５年前に事故で亡くなった、この家の長男の命日だった。そんないつもと違う横山家の一日は・・・。 ＜感想＞ 元開業医の年老いた両親。 失業中の次男は、子連れの未亡人と結婚したばかり。 そして、両者の間を明るく取り持つような長女一家。 それぞれが、それぞれの問題を抱えながらも、家族としての親しみと、距離感を持って接する。 本当に、どこかにこんな家族があるような感覚で、見てしまう映画でした。 彼らの考えや、態度に、共感を覚えたり、反発を感じたり。 女性なら、女性の目線で、母と娘、姑と嫁として見るでしょうし、男性ならば、父親・母親に対する息子としての感覚で、見てしまうのではないでしょうか。 親子であっても、大人になって、離れてしまえば、親しいながらも、本音を隠して、相手と、対峙する事って、きっとあるはずです。 そんな微妙な感覚を､ごく自然な感じで、描いている映画でした。 これを見ると、ちょっと面倒でも、たまには、親の顔を見に行くかって気持ちになりますね。 なんだかんだいっても、やっぱり、帰れる家があるって、いいことですよ。 キャストの皆さんは、とても自然な演技で、よかったです。 特に、母親役の樹木希林が、楽しくもあり、怖くもあって、絶妙でした。ただ、”元開業医の妻”には、見えなかったですけど(^_^;。 題名の由来には、びっくりでした。このあたりは、シニカルですねーーー。 この丸一日だけで、横山家の今までの歴史が、ある程度分かってしまうところが面白いです。(2014,01,03)