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いつか家族に      


2015年 韓国 (CHRONICLE OF A BLOOD MERCHANT)
コメディー   

<監督>ハ・ジョンウ
<キャスト>ハ・ジョンウ, ハ・ジウォン, チョ・ジヌン

<ストーリー>
貧しいサムグァン(ハ・ジョンウ)は、猛烈アタックの末、オンナン(ハ・ジウォン)と結婚し、子供たちと幸せな日々を送っていたが、そんなある日、ある噂を否定するために取った彼の行動が、家族に波紋を起こす・・・。

<感想>
前半はちょっと大げさなぐらいのコメディーでした。

韓国のこの時代(1953年=朝鮮戦争が休戦協定が成立した頃)、こんな状況だったのかと思うと同時に、 日本の戦後も、同じような状況だったのかもしれないと思いました。
男たちは、血を売って財をなし、男なら売血しろとまでいわれていた時代らしいですが、そんなに大量の血液は、どこに流れていったのでしょうか。(輸血治療が一般的となったせいらしい)

この映画の主人公サムグァンも、血を売り、それによって、一目惚れした女性とデートをし、結婚までこぎ着けます。
結婚と同時に、仕事も手に入れたわけで、彼にとっては、いいことずくめの一石二鳥でした。
しかし、幸せな11年が過ぎた頃、思ってもいない事態に陥ったサングァンなのでした。

なんとまあ、開けっぴろげな!(^▽^)。
それに、彼の態度の豹変もものすごい。
息子には、何の責任もないのに。

怒濤のごとく進む終盤は、前半の笑いとは、真逆の涙涙の物語になりました。

ラストショット。よかったと思うと同時に、あまりにも絵に描いたような幸せな情景に、かえって、一抹の不安も芽生えてしまうのでした。

主演は、名優ハ・ジョンウ。そして監督も彼です。
元々は、中国の作家・余華のベストセラー「血を売る男」の舞台劇だったのを彼が映画化したそうです。器用な人ですね。
その他の脇役も、キャスト名にはなかったですが、よく見る俳優さんがズラリ。
それも、監督ハ・ジョンウに対する友情出演のような感じなのかもしれません。(2023,06,05)



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