イカとクジラ          |  
  
2005年 アメリカ コメディー    
  
<監督>ノア・バームバック 
<キャスト>ジェフ・ダニエルズ ,   ローラ・リニー ,   ウィリアム・ボールドウィン ,   アンナ・パキン ,  ジェシー・アイゼンバーグ ,
  
<ストーリー> 
作家で大学教授のバーナード(ジェフ・ダニエルズ)と、人気作家になったジョーン(ローラ・リニー)夫妻は、とうとう離婚することになった。二人の息子たちは、父親と母親の家を行ったり来たりする共同監護となる。そんな生活が続くうちに、親たちの実体が見えてきた子供達は、強いストレスから、問題行動を起こすようになってしまう・・・。
  
<感想> 
高学歴で個人主義の両親。 
頭は良いのかもしれないけれど、人間としては、未熟な夫婦でした。 
平気で不倫したり、次から次に男を連れ込む妻もひどいですが、自分の感情を制御できない子供っぽい父親にも困ったものです。こんな両親を見ていると、子供は、とまどってしまいますねぇ。 
でも、こんな親でも、やはり子供は、知らず知らずのうちに親を慕い、尊敬し、模倣してしまいます。 
それが家族なんだからしょうがないです。 
夫婦は別れられても、親子の絆は、切れませんから。
  
この作品は、監督の実体験を投影させたものだそうで、多感な青春時代が、強烈な印象となって、頭の中に記憶されていたのかもしれません。 
そうすると、このイカとクジラのエピソードも、監督の実感なのかな。私は「ロビンフッド」のこのエピソードは、すっかり忘れてしまっているのですが、ウォルトのように、子供の頃に見た怖ろしい物語も、大人になって見直すと、また、違ったイメージで見る事ができるのでしょう。
  
「ライフ・アクアティック」でウェス・アンダーソンとともに共同脚本を務めたノア・バームバック監督作なので、この作品も、ユーモラスだけど、イタい作品になっていました。人生には、色々あって、失敗も多いけど、そんなこと、誰にだってあるのさと思いつつ、自分を見直してみてもいいですね〜。
  
配役はとても良かったです。離婚してしまうジェフ・ダニエルズとローラ・リニーは、さすがにうまいです。長男、ウォルト役のジェシー・アイゼンバーグも、尊敬する父を徐々に違った目で見始める青年の役をうまくこなしていました。次男、フランク役のオーウェン・クラインは、ケヴィン・クラインの息子さんだそうです。 
そして、バーナードの教え子で恋人役をすっかり大人になったアンナ・パキンが演じています。彼女のことは、この感想を書くまで気がつきませんでしたけど・・・(^^;。(2008,04,10)
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