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イノセント・ボイス 12歳の戦場      


2004年 メキシコ 戦争   

<監督>ルイス・マンドーキ
<キャスト>カルロス・パディジャ , ダニエル・ヒメネス・カチョ

<ストーリー>
1980年、政府軍と、民族解放戦線との間で激しい内戦が勃発した中米エルサルバドル。戦線のまっただ中の町に住む11歳のチャバ(カルロス・パディジャ)と、その家族は、普通の生活の中にまで銃弾が飛び交うような毎日を送っていた。しかも、チャバも12歳の誕生日を迎えると、政府軍に徴兵されてしまうのだ・・・。

<感想>
いったい世の中では、何カ所で、内戦や戦争が起こっているのでしょう。私の全く知らないところで、悲惨な状況が繰り返されているのを、こうして映画で見るたびに、自分の無知を知らされます。

街中で、小学校で、教会で、昼夜関係なく繰り返される政府軍とゲリラの銃撃戦。その後には、武器を持たない一般市民の亡骸が残される・・・。こんな異常な状況の町に、どうしていつまでも住んでいるのか、私には、ちょっと理解できないことですが、それには、それなりの事情があるのでしょう。
そんな不穏な情勢の中でも、11歳のチャバは、友だちと元気に遊び、好きな女の子に勇気を出して声を掛け、そして、あこがれのバスの運転のマネをして、子供らしく楽しく過ごします。しかし、そんなチャバにも、徴兵の時期が迫り、彼の友だちも12歳になった子は、政府軍のトラックに乗せられて、連れて行かれてしまうのです。
そして12歳になったチャバの行動は・・・。

なにしろ、主演のチャバ役、カルロス・パディジャ君が、表情豊かで、演技も自然で、ものすごく上手でした。彼の力演で、まるでドキュメンタリー映画を見ているような感覚さえ起きました。ジェイク・ギレンホール似の大きくて、垂れ気味の目の輝きが、印象的でした。
どんな地域の子供からも、こんなに美しい目の輝きを奪うようなことを、大人はするべきじゃないですよね。(2007,01,26)



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