ある公爵夫人の生涯           |  
  
2008年 イギリス・イタリア・フランス(THE DUCHESS) 
伝記・歴史・ロマンス   
  
<監督>ソウル・ディブ 
<キャスト>キーラ・ナイトレイ ,   レイフ・ファインズ ,   シャーロット・ランプリング ,  ドミニク・クーパー	,  ヘイリー・アトウェル	
  
<ストーリー> 
 18世紀後半のイギリス。スペンサー家の令嬢で、17歳のジョージアナ(キーラ・ナイトレイ)は、世界でも、屈指の裕福な貴族である、デヴォンシャー公爵(レイフ・ファインズ)との結婚が決まった。しかし、結婚後、彼女は、夫が自分を愛することなく、世継ぎである男子誕生だけを願っていることを知り、寂しい思いをする・・・。
  
<感想> 
今、私が凝っている、ジェイン・オースティン(「高慢と偏見」など)も同時代に生き、同じ頃の話を描いていますが、彼女が描くのは、もっぱら片田舎の中流社会の話です。 
一方、この映画で描かれているのは、イギリスきっての大金持ち貴族に嫁いだ女性の話です。
  
両者を対比するのも面白かったのですが、ジョージアナの実家の子孫には、あの故ダイアナ妃もいたということで、結婚生活の光と影を、時代を超えて考えさせられました。
  
17歳で、もっとも幸運な結婚をしたジョージアナ。 
広大な敷地に建つ立派な建物や、多くの召使いたちに囲まれて、うれしさとともに、鼻高々!だった彼女だったのに・・・。 
夢に描いていた結婚生活には、愛情はなく、世継ぎを生むという責任が、重くのしかかってくるのでした。
  
当時の女性の話を、読んだり見たりすると、華やかな社交界の陰には、女性は、子を産む道具として扱われていたという、悲しい事実が見え隠れします。 
日本だって、跡継ぎがいないための家名断絶を回避するために、側室をおいたり、女中に手をつけたりしたわけで、男の子を産めない妻の立場は、弱かったですからねぇ。
  
この映画の主人公、ジョージアナも、男子を産むためだけの結婚で、夫の愛情は得られず、その寂しさを、社交界での中心的存在になって、紛らわして、生きていたようです。
  
しかも、夫は、公然と愛人を同じ館に住まわせ、一緒に食事をとるのですから、他に鬱憤を晴らす場所がなかったら、おかしくなりそうな環境ですよ。
  
同じ時代、フランスでは、結婚した女性が、若い恋人を持つのは、実は、公然の秘密だったらしいのですが、 
イギリスでは、逆に、大スキャンダル。 
愛に飢えた彼女は、スキャンダルの渦中の人物となっていくのでした・・・。
  
彼女の過酷な運命に、泣けました。 
こんな人生、私だったら耐えられません。 
でも、彼女は、強い女性でした・・・。
  
主演は、キーラ・ナイトレイ。 
彼女の演じるコスプレ映画は、好きです。 
特にこの映画のコスチュームは、アカデミー賞の衣装デザイン賞を受賞したほど、すばらしいです。 
たくさんの女性が出てきますが、それぞれ、豪華で、贅沢で、美しくて、見応えありました(^^)。
  
でも、残念なのは、キーラの胸が薄いこと(^^;。 
どうしても、まるで子供(^^;のように見えてしまいます。 
胸の大きくあいたドレスは、やっぱり豊満な女性の方が似合いますね(^^;。(2010,06,23)
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