愛のむきだし |
2008年 日本
ロマンス
<監督>園子温
<キャスト>
西島隆弘, 満島ひかり, 安藤サクラ, 中村麻美, 渡辺真起子, 渡部篤郎, 板尾創路, 岩松了, 吹越満, 堀部圭亮
<ストーリー>
神父の父テツ(渡部篤郎)と、穏やかな日を過ごしていた角田ユウ(西島隆弘)。しかし、ある日、教会にやってきた女、サオリ(渡辺真起子)と恋に落ちた父は、ユウに懺悔を強要するようになる。それに応えるために、ユウは、毎日、罪を作ることが日課になり、遂に、盗撮の道に走るのだった・・・。
<感想>
237分もある、園子温監督の超大作です。
もう、この、4時間の上映時間!というだけで、退いてしまい、
また、漏れ聞こえてくる、”変態映画”といううわさも、この映画から、私を遠ざけていました。
まあ、確かに、”変態”映画でしたねぇ(^^;。
でも、4時間という時間を感じさせない面白さ!
しかも、ラストには、図らずも、涙が止まらないほどの感動を与えてくれました。
映画の冒頭に、「この物語は事実にもとづいている」と出ます。
えぇぇーー?!実話なんだ!!とまず驚きました。
だって変態映画でしょうーーー??(^^;。
しかし、変態が出てくるといっても、この映画は、題名の中にもその字がある通り、人間の本質を描いた、”愛”の映画なのでした。
しかも、”むきだし”ですから、すごいです(^^)。
親のいびつな愛情によって翻弄される3人の男女。
そのメインとして描かれるユウの苦悩は理解でき、自然な流れ?で、いつしか変態の道へと突き進みます。
でも、どうして、パンツなのか、どうして、盗撮なのか?!
なんでそこまでパンチラにこだわるのかは、女の私にとっては謎ですが、
男性の皆さんには、十分納得できることなのでしょうか??
そういえば、小学校の時のスカートめくり!(^^)
結局は、あれに通じるものなのでしょうか???
そうそう、鏡を持った知識人・・・っていうのも、過去にありましたねぇ・・・(^^;。
こんな映画なので、キャストによっては、途中でリタイアする可能性もありました。
でも、この映画、配役がとてもいいんです。
盗撮男ユウ役には、AAA(トリプルエー)の西島隆弘。
彼が、とてもよかったです。
素直で、優しいけれど、変態!
しかも、その盗撮パフォーマンスのかっこいいこと!、まるでダンスしているがごとくです。(^^)。
そして、サソリ(女装)姿の、これまた素敵なこと!男にしておくのがもったいないほどの美人!!(^^)
ユウにとってのマリア、ヨーコ役は、この映画で、一躍ブレイクした満島ひかり。
なるほど、監督に、とことんしごかれたという、彼女の迫力のある演技は、見ものでした。
そして、謎めいて不気味なコイケ役は、奥田英二の娘、安藤サクラ。
この存在感は、なかなかすごいです。
前半では、ただ見守るだけの彼女が、後半になると、前面に出てきて、周りを翻弄し、破壊してゆきます。
彼女、まだ、22歳だったんですね、この時。
あのふてぶてしさは、20代とは思えませんでしたけど・・・(^^;。
この異様な題名と、4時間という長さで、見るのを躊躇しているそこのあなた!案外見ると、感動しちゃうかもよ(^^)。(2011,06,15)
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