ヴィンセントが教えてくれたこと |
2014年 アメリカ (St. VINCENT)
コメディー
<監督> セオドア・メルフィ
<キャスト>
ビル・マーレイ , ジェイデン・リーバハー , メリッサ・マッカーシー , ナオミ・ワッツ , テレンス・ハワード , スコット・アツィット , クリス・オダウド
<ストーリー>
酒とギャンブルにおぼれ、おまけに破産寸前のヴィンセント(ビル・マーレイ)の家の隣に、シングルマザーのマギー(メリッサ・マッカーシー)と、小学生のオリバー(ジェイデン・リーバハー)が引っ越してきた。仕事に追われるマギーは、ヴィンセントに、オリバーの世話を頼むが・・・。
<感想>
すべてにおいて投げやりな、初老男が主人公の作品で、全く食指が動かなかった映画ですが、彼の生活にあきれながら見ていると、ラストには、思いもかけない感動が待っていました。
人間は、他人のことを限られた一面しか見ていないもので、その面だけで、あの人はこうだ、この人はこうだと、その人そのものを決めつけてしまいます。
でも、実は、人は、一面だけの平面ではなく、多くの面を持った多面性の人間であることを、教えてくれる映画でした。
ヴィンセントも、一見、飲んだくれで、ギャンブル好きで、どうしようもない年寄りです。
銀行の行員も、彼のことをそれだけの人物だと思っているし、私も、その通りだと思っていました。
でも、彼が、会いに行く、上品な女性のことや、いじめっ子から、オリバーを救ってくれたことなど、
彼の違う面が少しずつ見えてきます。
でも、子供を競馬場に連れて行ったり、相変わらず、どうしようもない彼なのです。
本当の彼を理解しようと思ったら、彼のことを知ろうという、ちょっとした努力が必要なのです。
ラストは、相変わらずだらしないヴィンセントが、だらしなく水まき?をしているのですが、本当の彼のことを知った後では、その風景も、ちょっと違って見えてきました。
主演は、ビル・マーレイ。
ちょっと気むずかしげな彼のことは、少々苦手なのですが、そんな彼がヴィンセントを演じたことで、この映画は成功でした。
他に、コメディアンヌでないメリッサ・マッカーシーや、過激なナオミ・ワッツが話に彩りを添えていましす。(2016,11,27)
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