 あるスキャンダルの覚え書き  |
２００６年 イギリス 
＜監督＞リチャード・エアー
＜キャスト＞ジュディ・デンチ , ケイト・ブランシェット , ビル・ナイ , アンヌ＝マリー・ダフ
＜ストーリー＞
ロンドン郊外の総合中等学校で、歴史を教えるバーバラ（ジュディ・デンチ）は、非常に厳格なベテラン教師。新学期になって、学校に、新しい美術教師としてシーバ（ケイト・ブランシェット）が赴任してきた。美しいシーバは、生徒からも、教師からも、注目の的になり、バーバラも、彼女と、真の友達になりたかった。そんなある日、彼女は、シーバと男子生徒（アンドリュー・シンプソン）との情事を目撃してしまう・・・。
＜感想＞
オスカー女優二人が競演する、緊迫感溢れる映画でした。
原作はゾーイ・ヘラーの「あるスキャンダルについての覚え書き」。確か、同じような事件が、実際にあって、裁判にもなり、日本でも、報道されましたよね。
美しい高校教師が教え子である男子生徒と恋愛関係に陥ってしまう話です。それをネタにして、彼女を自分の元に取り込もうとする老女性教師の怖ろしさ・・・(^^;。美醜のコントラストが不気味な映画でした。
そんなストーリー自体も面白かったですが、それぞれを演じる俳優がとてもよかったです。
まずは、ジュディ・デンチ。独身を通した厳格な教師の、隠された裏の顔を、臆病に、そして、時には大胆に演じていていました。ペットの死に関するシーンでは、狂気もかいま見せて、怖かったです。
そして、なんといっても、ケイト・ブランシェットですね。
中産階級の美しく、魅力的な教師の、家庭での意外な顔や、心の隙間に入り込んできた男子生徒との恋愛、世間から厳しい追及を受けて憔悴する姿、バーバラの本心を知って混乱する彼女。いろいろな表情を繊細に演じていて、目が離せませんでした。
彼女は、「エリザベス」のような固くて強い役もいいのですが、こうした普通の女性の役を演じるとさらにうまさが冴え渡りますね〜〜。
彼女の年の離れた夫役のビル・ナイも、いつものエキセントリックな役ではなくて、妻の不倫に苦悩する夫の役を演じていて、意外に良かったたです。
労働者階級と、中産階級の格差とか、バーバラの過去の話、シーバの家庭の話とか、もっと描いて欲しいところもあったので、是非、原作を読んでみたいです。(2008,08,19)
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