シネマチェックトップページ50音別indexカ行index


クロッシング      


2009年 アメリカ(BROOKLYN'S FINEST)
アクション・犯罪   

<監督>アントワーン・フークア
<キャスト>リチャード・ギア , イーサン・ホーク , ドン・チードル , ウェズリー・スナイプス , ウィル・パットン , エレン・バーキン , ヴィンセント・ドノフリオ , リリ・テイラー

<ストーリー>
ニューヨーク、ブルックリンの警官エディ(リチャード・ギア)は、定年まであと7日。事なかれ主義の彼は、他の警官から、バカにされていた。子だくさんで家族思いの警官サル(イーサン・ホーク)は、広い家に引っ越したいが、頭金が足りなくて、焦っていた。ギャング組織への潜入捜査をしているタンゴ(ドン・チードル)は、仕事のために結婚生活が破綻し、普通の勤務に戻して欲しいと上司に願い出ていた・・・。

<感想>
犯罪多発地帯、ブルックリンに勤務する3人の警官の物語です。

3人それぞれに、事情を抱えていて、終始、重苦しい雰囲気でした。

中でも、潜入捜査をしているタンゴは、常に命の危険を感じながらの仕事。
しかも、正義と悪との狭間にあって、その苦悩と、緊張感は、はかり知れません。
潜入捜査を行う警官の苦悩を描いた映画は、たくさんありますが、どれもこれも、悲しい話ですねぇ。
大きな悪を暴くためには、大切な任務であることは分かるけれど、人間性を無視した仕事であることは確かです。

また、家族を思うあまりに、道を踏み外した警官サルの葛藤も、行為自体は、許されることではないものの、見ているのは辛いものでした。

こんな環境で、こんな仕事をしていたら、命がいくらあっても足りないし、心もすさんでしまうのも、当然なことですよね。
町を歩けば、どこもかしこもトラブルだらけ。
エディのように、全てを見てみない振りをしていた方が、身のためなのでしょう。
でも、そんな彼にしても、元々は、正義感を持って、就いた仕事なわけで、
そういう生き方は、かえって、心の闇が暗く静かに広がってしまうかも。

なにしろ、重苦しくて、しんどい映画でした。
原題は、「BROOKLYN'S FINEST」=「ブルックリンの警官」です。
ブルックリンの警官が、全てこんなに、問題を抱えているわけではないでしょうが、
暗澹たる思いがしてしまいました(^^;。(2011,04,03)



シネマチェックトップへ