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かくも長き不在      


1960年 フランス (UNE AUSSI LONGUE ABSENCE)
   

<監督>アンリ・コルピ
<キャスト> アリダ・ヴァリ , ジョルジュ・ウィルソン

<ストーリー>
パリで、カフェを切り盛りしているテレーズ(アリダ・ヴァリ)は、ある日、店の前を通る浮浪者を見て凍りつく。それは、彼が、戦場に行ったまま帰ってこない夫にそっくりだったからだった・・・。

<感想>
60年ほど前のフランス映画で、カンヌ映画祭グランプリを受賞した名作です。
冒頭は、軍事パレードや飛行ショーが登場して、物々しい中に、戦争は過去のものとした印象から始まります。

主人公のテレーズは、カフェを切り盛りする働き者の女性。
注文を的確にさばいてゆく様子が、しっかり者のやり手であることを示しています。
しかし、彼女の前に一人の浮浪者が現れたことで、彼女の様子が一変します。
いったいどうしたのか??

戦争によって記憶をなくした浮浪者を、自分の夫だと信じたいテレーズもまた、戦争によって心を病んでしまった一人なのかもしれません。
失踪して16年経ったからといって、顔がそんなに違ってしまうはずもないのに、背の高さも、歩き方も声さえも違う彼を、それでも他人だと思えずに、彼の記憶を取り戻そうとするテレーズ。
結局彼女は、夫の帰ってくる時を永遠に待ち続ける事になるのでしょうか。

モノクロの作品で、戦後16年経ったフランス・パリが描かれています。
戦争によって狂わされた人々の人生が、もの悲しく心に迫りました。 (2019,08,12)



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