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グーグーだって猫である      


2008年 日本   

<監督>犬童一心
<キャスト>小泉今日子 , 上野樹里 , 加瀬亮 , 山本浩司 , 村上知子 , 大後寿々花 , 柳英里紗 , でんでん

<ストーリー>
吉祥寺に住む漫画家、麻子(小泉今日子)は、スタッフと共に3日間の徹夜で仕事を仕上げた後、ふと見ると、13年間一緒に暮らしていたネコのサバが亡くなっていた。悲しみのあまり、仕事が出来なくなった麻子。しかし、ある日、ペットショップで見つけた子猫を家に連れて帰り、グーグーと名前を付けてかわいがるようになり、元気を取り戻してゆく・・・。

<感想>
ネコ好きには、もうたまらない映画でした。

ネコを失った時の麻子の悲しみ、喪失感を我が事のように共有してしまいました。ペットを飼っていない人には、たかがネコぐらいで・・・と思われるかもしれませんが、ペットロスという症候群もあるぐらいですからね。これは、結構深刻なのです。近くにそんな人がいたら、温かく見守ってください〜〜。

特に、麻子には、この時忙しくて、サバをかまってやれなかったという負い目も、きっとあったことでしょう。
たとえ老衰で亡くなったとしても、その悲しみは、計りしれません。私も、16年間飼っていたネコを亡くしたときは、辛くて言葉も出ませんでしたから(TT)。

そんな麻子が、グーグーと一緒に生活し始め、明るさを取り戻す姿を見てホッとしました。子猫の存在は、一瞬で、人の心を柔らかくしてくれますね〜〜(^^)。

こんな風に、グーグーを中心にした生活が、ほのぼのと描かれている映画です。麻子の身の上に起こることを優しい目線で描いていますが、ただそれだけでも、幸せになってしまう不思議な映画です。
周りの人たちも、皆温かくて、優しくて、いい人ばかり。
だからどうしたと言われても、だからいいのよ。としか言えませんね、この映画は。ホント(^^)。

実は、映画としては、どうなのよ、と思うところもありました。最初は外国人の青年が見た吉祥寺の町の紹介から始まって、上野樹里演じるアシスタントの話になったり、最終的には、麻子の事が描かれていたりと、視点が定まらず、なんでこうなの??とか思ってしまいました。
でも、それでもいいのです。グーグーが公園を散歩する姿をみんなで優しく見守ったりするのが、とてもいいんです。うちのコにも、こんな事させてあげたいな〜〜〜とか思って、じ〜〜〜んとしてしまいました(^^)。

主演は小泉今日子。今までは、そんなに好きな女優さんではなく、そのためにこの映画も、劇場鑑賞はパスしたのですが、この映画の彼女は、とても良かったです。漫画家であり、芸術家である麻子を、孤独感も感じさせながら、繊細に演じています。

原作は、漫画家・大島弓子の自伝的エッセイ漫画で、第12回手塚治虫文化賞短編賞受賞作だそうです。犬童一心監督は、大島弓子さんの大ファンだそうですね(^^)。(2009,08,15)



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