鑑定士と顔のない依頼人　　　　　　 ２０１３年　イタリア　（THE BEST OFFER） 犯罪・ミステリー　　　 ＜監督＞ジュゼッペ・トルナトーレ ＜キャスト＞ジェフリー・ラッシュ, シルヴィア・フークス, ジム・スタージェス, ドナルド・サザーランド ＜ストーリー＞ 一流の美術品鑑定士のヴァージル・オールドマン（ジェフリー・ラッシュ）の元に、遺産の鑑定を依頼する電話が入る。しかし彼女は、約束の時間になっても現れず、ヴァージルは、この依頼を断ろうとするが・・・。 ＜感想＞ 録画DVDの消化をしようと見始めたのですが、意外にも面白いミステリーで、楽しむことが出来ました。 美術品に囲まれた一流の世界が、映画の品格を上げています。 気難しい美術品鑑定士が、決して姿を現そうとしない依頼人に翻弄され、徐々に囚われてゆく様は、魅惑的かつ、危険な香りがして、ドキドキしました。 いったい彼女は何者なのか・・・？ その正体が徐々に分かってくると、彼の心に思いがけない気持ちが芽生えいく。 中盤過ぎから、これはヤバいことなのかも？！とモヤモヤしていたら、なんとあんなことに！(^_^;。 こういう一見だまされそうにない人が、一番だまし甲斐があり、また、一度はまり込んでしまうととことんいってしまうような気がします。 人に心を許したことのない彼だったのに、はじめて心を許せば、こんなことになってしまうなんて、なんてことでしょう(T_T)。 でも、彼は、一流の鑑定士。人の心の鑑定に関しても何か確固たる物を持っているのかもしれません。 偏屈な老人役のジェフリー・ラッシュが秀逸。 気難しくて、悲しくて、痛々しくて・・・なんとも言えません。 (2020,08,15)