古山子(コサンジャ) 王朝に背いた男 |
2016年 韓国 (THE MAP AGAINST THE WORLD)
歴史劇
<監督>カン・ウソク
<キャスト>チャ・スンウォン, ユ・ジュンサン, キム・イングォン, コン・ヒョンジン
<ストーリー>
いい加減な地図のために父親を失ったジョンホ(チャ・スンウォン)は、大人になると、朝鮮半島の正確な地図を作ることに人生をかけていた。旅から帰り、久しぶりに家に戻ると、権力者達は、その地図を我が物にしようとする・・・。
<感想>
朝鮮史上最高の地図といわれる“大東與地図"を作ったと言われる古山子=キム・ジョンホ=金 正浩の物語です。
詳しい生没年、経歴は不詳ですが、1800年代の方だったようです。
映画では、自分の足で韓国全土を踏破し、詳細な地図を作り上げ、しかもそれを版画にして、庶民が旅に出るときに無料で使えるようにしようとしたらしいです。素晴らしい人だ!!
しかし、結局その思いは、遂げられなかったようですが、大東與地図として、その一部が残っているそうです。
彼の志(こころざし)は、市井の人々にとってありがたいものだったでしょうが、国土を詳細に表す地図は、当時、国家の秘密に属するものだったというのは、確かに、それはそうだったんだろうなと思いました。
未だに、中国では、ポケモンGOがそのために遊べないとかいうことを聞いたことがありますし。
しかし、当時、道らしきものがなかったらしい朝鮮では、ちゃんとした地図のあるなしは、命に関わる大問題。父を亡くした古山子の思いも分かります。
ジョンホの行く先々で映し出される朝鮮各地の四季折々の風景は、綺麗でよかったですが、
映画のように、足で歩いただけで地図を作るのは、無理があるかと。
測量とか、天体観測とかしないと、あれほど正確な地図は出来ないはずで、その辺りが引っかかりました。
また、家族の命の重さと木版の重要度が二転三転するところも違和感がありました。自分の一生を捧げた地図は、自分の命とも言える、その気持ちも分かりますが・・・。
散切(ざんぎ)り頭の日本の使節団にその地図を褒め称えさせるのも、江戸時代に伊能忠敬による地図を作った日本としては、あれっ?と思いましたが、日本側の社交辞令だったのかな。
ラストは、彼が于山島を目指すところで終わりますが、于山島とは、韓国では独島(日本の竹島)であるといわれている島です。などと思ってしまうのは、うがった見方でしょうか・・・。(2022,05,02)
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