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くちづけ      


2013年 日本
ロマンス   

<監督>堤幸彦
<キャスト>貫地谷しほり , 竹中直人 , 宅間孝行 , 平田満 , 橋本愛

<ストーリー>
人気漫画家だった愛情いっぽん(竹中直人)は、知的障害者の娘マコ(貫地谷しほり)を、男手一つで育てていたが、彼女をグループホームに預け、自分もそこで働くことにする・・・。

<感想>
笑って、そして、号泣する良作でした。

劇団『東京セレソン』の主宰を務める宅間孝行が劇団のために書き下ろした戯曲の映画化です。

その宅間孝行が知的障害者の”うーやん”を演じているのですが、これが秀逸で、映画にすっと入ってゆけました。
どんなにいい話でも、知的障害者役の役者の出来によっては、台無しになることもあるのでしょうけれど、彼が、自分自身で書いた本で、しかも舞台でも演じていただけにすばらしかったです。

知的障害者と、ひとくくりにしても、実際には、一人一人症状が違い、また、その家庭内の事情も多岐にわたり、彼らを預かる施設も、様々なのだろうと、想像出来ます。
この映画に出てくる”ひまわり荘”は、理想的な施設ですが、それでも、金銭的には、問題があるわけで、これは、個人の力では、どうにも出来ない、大きな援助が必要な事なのだと思います。

そして、障害者の行く末にも問題が山積です。
親がいるうちは、その愛情と、努力によって彼らは、守られていますが、もし親がいなくなったら・・・。
これは、家族にとって、緊急かつ切実な問題です。

そして、そういう障害者を持つ人たちは、その家族が、どんなに大変なのかを身をもって知っているだけに、他人に対してヘルプを期待出来にくい状態になっているのです。

マコの父親に竹中直人がキャスティングされているので、ほのぼのした笑いも、たくさんありました。
でも、ラスト近くになると、もう号泣です。
今思い出しても、ウルウルしてしまいます。

マコ役は、貫地谷しほり。
彼女も、すばらしい演技です。
しばらくは、他の役の彼女を見ても、マコのことを思い出しそうです。(2013,06,08)



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