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隠された日記 母たち、娘たち      


2009年 フランス・カナダ (MERES ET FILLES)
   

<監督> ジュリー・ロペス=クルヴァル
<キャスト>カトリーヌ・ドヌーヴ , マリナ・ハンズ , ジャン=フィリップ・エコフェ

<ストーリー>
カナダで働くオドレイ(マリナ・ハンズ)は、久しぶりに、両親の住むフランスの田舎町に戻ってきた。しかし、オドレイは、昔から母親のマルティーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)とは、うまく付き合えず、今回も、悩み事を打ち明けられない・・・。

<感想>
以前からぎくしゃくしていた母娘の物語です。
どうしてこうなってしまったのか・・・。
仲がよくて、まるで友達のように付き合える母と娘がいるのと同様に、うまくつき合うことが出来ない母と娘も、確かにいます。
それは、同性だからこその問題なのか、それとも、他に何か理由があるのか?

この映画の母と娘にも、昔から、なにかしらのわだかまりがあるようでした。
その理由は、これといって特別にあるわけではないようだったのですが・・・。

そんな母と娘の物語が、途中から、雰囲気を変えてゆきます。

それは、台所の戸棚の奥から、古い日記を見つけたことから始まりました。

ウマの合わない母と娘を中心としたホームドラマかと思って見始めると、途中から、意外なことに、ミステリー的な展開になってきて、思わずのめり込んで見てしまいました。

ただ、それは、遠い過去の出来事で、生臭さは感じません。
むしろ、長い時間が経つ内に、その臭いは、浄化され、懐かしく、美しい香りに変化してゆくようでした。

家族の物語を、女たちに寄り添いながら、丁寧にゆっくりと解き明かしてゆく物語です。
それまでの長い母と娘の葛藤に思いを馳せるならば、やるせない思いで、胸が詰まります。
全ての原因がここだけに集約するとまでは言いませんが、やはり、大きな影響はあったはずです。
今までの、固くしこった感情が、ゆっくりと解きほぐされてゆく余地のある未来を、想像できました。(2015,11,01)



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