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空気殺人          |  
  
2022年 韓国 (AIR MURDER) 
サスペンス    
  
<監督>チョ・ヨンソン 
<キャスト>
キム・サンギョン,  イ・ソンビン
  
<ストーリー> 
原因不明の肺疾患で妻(ソ・ヨンヒ)を亡くし、子供(キム・ハオン)も重体になった医師のチョン・テフン(キム・サンギョン)は、その原因を突き止め、企業相手に裁判を起こそうとするが・・・。
  
<感想> 
韓国で実際に起こった加湿器用殺菌剤による死亡事件を題材にした作品です。
  
韓国史上最悪の消費者被害事件と言われていて、現在、推定死者数2万人とされているそうです。恐ろしい。 
確かに加湿器は便利だけれど、フィルターの管理が面倒ということもあり、こういう薬品が出来たのでしょうけれど、これはまさに”空気殺人”。 
普通に呼吸しているだけで、病気になってしまうのですから恐ろしいです。
  
どこまで実際にあったのか分かりませんが、2010年代に入っていたのに、まだ企業は、こんなことが出来たんだと驚きます。
  
韓国のドラマや映画を見ていると、病室などでやたらと加湿器が稼働しているので、韓国の人は、加湿器好きなんだなぁと思っていましたが、こんな大問題が起きていたんですねぇ。
  
この事件の怖いところは、何が原因でこんなにも多くの人が病気にかかり、犠牲になったのかがなかなか分からなかったこと。 
しかし、最悪なのは、被害者家族が声を上げても、公の機関がその解明に乗り出さなかったことでしょうか。 
外国ではこの薬剤の毒性が分かっていたということなので、その杜撰さには驚きます。
  
そして、裁判になっても、韓国の裁判制度の悪癖とも言うべき”前官礼遇”という暗黙の決まりが、被害者家族の道を閉ざします。 
前官礼遇とは、裁判官や検事を辞めて弁護士に転進した人には、、なるべく裁判で勝たせるようにするという韓国特有の悪習を指すのだそうです。これでは、お金のある大企業や個人には、市民は、裁判で勝てないということになります。最悪ですねーー。
  
しかし、驚きは、最終盤にありました。 
こんなこと、あり得ないように思えますが、これも実際にあったことなのでしょうか。 
しかし、そのことによってこの事件が明らかになり、被害者家族が勝てたなので、よかったなぁと思うのでありました。
  
主演は、「殺人の追憶」のキム・サンギョン。 
主役を張って長い年月がたちますが、やはり素晴らしい俳優さんです。(2024,03,11)
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