サッド ヴァケイション |
2007年 日本 犯罪
<監督>青山真治
<キャスト>浅野忠信 , 石田えり , 宮崎あおい , オダギリジョー , 光石研 , 斉藤陽一郎 , 豊原功補 , 川津祐介 , 中村嘉葎雄 , 高良健吾
<ストーリー>
北九州の港で、中国からの密航者を手引きしていた健次(浅野忠信)は、孤児の少年アチュンを自分の家に連れ帰る。その後、代行運転手となった健次は、初老の男(中村嘉葎雄)の車を運転して彼の経営する間宮運送まで送ってゆく。その間宮運送には、昔バスジャックの被害にあった梢(宮崎あおい)が身を寄せていた。後日、健次は、再び間宮運送に姿を現して、間宮の妻(石田えり)に会おうとする・・・。
<感想>
「Helpless」「EUREKA ユリイカ」に続く北九州サーガの集大成だそうです。
「EUREKA ユリイカ」は見たので、田村梢=宮崎あおいの関連は分かったのですが、「Helpless」を見ていないので、安男の話など、よく分からないところもありました(^^;。
でも、そんなことは分からなくても、この映画のある種の怖ろしさというか、不気味さというか、そして、最終的には、強さとかを感じることは出来ました。
ある事情で別れた母と子の再会。
息子である浅野忠信の目線で描かれていて、事情が分からないながらも、この再会シーンは、意外にも、あっさりと明るいものでした。
それは、捨てる側と捨てられる側の違いもあるのかもしれませんし、あの母親の性格もあるのかもしれません。
そうか、意外と、そんなものなのかなと思いつつ見ていると、また、ラスト近くで、その思いは、裏切られるのですが・・・。
屈折した健次の心情を理解するのは難しいですが、最後まで見ると、これは、健次の物語ではなくて、母親の千代子の物語なのかと気がつきました。実の息子の切り捨て方がすごいのは、怖いところですし、暗い部屋で、自分自身を納得させるシーンは、鬼気迫る物を感じました。
やはり、女は、強いの一言でしょうか。
男など、とうてい太刀打ちできないでしょう。
キャストは、これでもかと言うほど実力派ぞろいで、それぞれのキャラクターをうまく表現していて、楽しめました。
中でも、あっけらかんとした女の強さを石田えりさんは、よく演じていましたが、惜しむらくは、浅野忠信と彼女が、母子に見えないところです。もうちょっと老けメイクをしても良かったのではと思いました。(2008,07,03)
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