さざなみ　　　　　　 ２０１５年　イギリス　（45 YEARS） ロマンス　　　 ＜監督＞アンドリュー・ヘイ ＜キャスト＞ シャーロット・ランプリング , トム・コートネイ ＜ストーリー＞ イギリスの小さな町で静かに暮らすケイト（シャーロット・ランプリング）とジェフ（トム・コートネイ）夫妻。数日後には、結婚４５周年のパーティーを開くことになっていた。そんなある日、夫の昔の恋人の遺体が５０年ぶりにクレパスで発見される・・・。 ＜感想＞ ４５年間連れ添ってきた夫婦にもたらされたある知らせ。 ５０年も前の、しかも二人が出会う前の夫のロマンスが、静かに暮らしていた老夫婦の間にさざなみを起こします。その波は、そのまま消えるのか、それとも、大波となってしまうのか？ ストーリーは、淡々と進んでゆくのですが、妻の底知れない怒りがじんわりと心を締め付けます。 昔の夫のロマンスに、あんなにも気持ちがわさわさしてしまうのは、女性ならではなのでしょうか。 長年はぐくんできた夫婦の絆も、若い頃の思い出の前には、もろくも崩れてしまうのでしょうか。 過去の女性への思いを再燃させたかもしれない夫への、言うに言われない怒りを、徐々に熟成させてゆく彼女の姿は、鬼気迫ります。 夫の気持ちを考えると、遙か昔の恋人との思い出に、ついつい浸ってしまう気持ちも分かります。 でも、思い出はあくまでも思い出であって、実生活とは、全く違うものだと思うので、彼女がそこまで怒ってしまうのは、なんだか違う気がしてしまうのですが、妻にとっては、そういう夫の姿を見ること自体が許しがたいというわけでしょうか。 美しい思い出と張り合っても、勝ち目はないと思うのですが・・・。 押さえに押さえた彼女の怒りが、いったいどこに向かおうとしているのか。 ラストは、私の想像とは違って、不穏な終わり方だったので、この後の夫婦の関係が、少々心配になってしまいました。 それにしても、５０年前の登山事故に、新たな展開があるなんて、途方もない話です。 その当時の記録とかが、まだ残っているって事なんでしょうね。なんだかすごい話です（ﾟ◇ﾟ）。(2017,04,01)