シネマチェックトップページ50音別indexサ行index 


戦火の中へ      


2010年 韓国 (INTO THE FIRE)
戦争・アクション

<監督>イ・ジェハン
<キャスト>チェ・スンヒョン, クォン・サンウ, キム・スンウ , キム・ヘソン , チャ・スンウォン

<ストーリー>
1950年8月。朝鮮半島において、韓国軍は、北朝鮮軍に押され、劣勢に立たされていた。浦項(ボハン)で戦うカン・ソクテ大尉(キム・スンウ)の部隊は、洛東江へ向かうよう招集命令が発せられ、浦項に残されたのは、戦闘経験のほとんどない学徒兵71名だけだった。

<感想>
朝鮮戦争については、「ブラザーフッド」を見たときに、ちょっと勉強しましたが、こんな悲惨なことも、あったのですね(T_T)。

これは、戦争にかり出され、戦闘に巻き込まれていった学徒兵の実話です。

まず、激しい戦闘シーンに、圧倒されました。
今の戦争と違って、この頃の戦争は、まさに、肉弾戦。
敵味方が、入り交じっての、悲惨な殺し合いです。
このような状況で生き残れるのは、相当な敏捷性と、的確な判断力、そして、なにより、生き残るための強運が必要だったのでしょう・・・。

戦況の悪い韓国軍は、後退に次ぐ後退で、まさに崖っぷち状態。
すでにソウルは、陥落し、浦項(ボハン)にたどり着いたものの、兵士たちはすべて、洛東江にむかい、浦項に残されたのは、訓練も受けていないような、71名の学徒兵だけ。
中高校生の彼らは、まだ、銃や、手榴弾の使い方さえ、知らない子どもたちばかりだったのです。
ほんの2〜3人でもいいから、訓練を受けた兵士を残して行けばいいのに、韓国軍には、その余裕さえなかったのでしょう。

それでも、いろいろな工夫をして、押し寄せる北朝鮮軍を迎え撃った彼らは偉かったです。
彼らが、浦項で、敵を数時間押し止めたことによって、韓国軍は、戦況を有利にすることができたという話です。
その時、彼らには、いろいろな選択肢があったように思うのですが、
敵と戦うことを選んだのは、祖国を思う気持ちと、そして、家族への思いがあったのでしょうねぇ。

主演は、KポップグループBIGBANGのT.O.Pことチェ・スンヒョン。
映画公開の時に、TVで紹介されていて、アイドル映画かと思っていましたが、激しくて悲しい、本格的な戦争映画でした。
T.O.Pの演技も、とてもよくて、本当に、まだ幼さの残る中学生ぐらいに見えたし、敵に立ち向かう姿は、凛々しくて、なかなか良かったです。
少年院上がりの役を演じたクォン・サンウは、どう見てもやっぱり30代にしか見えませんでしたが、彼も好演でした。

同じ民族が、戦う悲惨な戦争の、過酷さと、悲しさが、よく描かれていたと思います。(2012,04,02)



シネマチェックトップへ