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それでもボクはやってない      


2007年 日本   

<監督>周防正行
<キャスト>加瀬亮 , 大森南朋 , 山本浩司 , 清水美砂 , 竹中直人 , 小日向文世 , 役所広司 , もたいまさこ , 光石研

<ストーリー>
フリーターの金子徹平(加瀬亮)は、会社の面接に行くため、通勤ラッシュの電車に乗っていた。そして、乗換え駅である岸川駅に降りたとき、女子中学生に腕を捕まれ、痴漢をしたと言われ、駅事務所へ連れて行かれ、そしてそのまま、警察に引き渡されてしまう・・・

<感想>
見たい見たいと思いつつ早2ヶ月。やっと近くの映画館で上映されました。

う〜ん、うまいですねぇ〜〜。
観客は、主人公の金子徹平と同じ視線で、逮捕、取り調べ、起訴、裁判という、初めての体験を共有させられます。
それらの流れには、ただただ驚くばかり。
映画のHPにあるように、「知りません、ではすみません。」・・・その通りですねぇ。
「やってない」にもかかわらず、その証明が出来ないばかりに、日常が奪われてしまう恐怖。怖ろしいです。
でも、この映画を見たおかげで、何かあったときの対処の仕方が、少し分かったような気がします。なにしろ、少しでも事実と違うことは言わない、署名しない。最低限、これだけは、貫かなければ、自分を守れないということです。

緊迫感あふれるストーリーが、この映画の最大の魅力ですが、主演に加瀬亮を持ってきたことも、成功した一因でしょうねぇ。加瀬さんは、こう言ってはなんですが、あまりオーラを感じさせない俳優さんで、今まで15本も彼の映画は見ているのですが、なかなか顔が覚えられない方でした。それほど、何処にでもいるような、普通の青年なんですよね。しかも、ひょろっと気弱げで、見ていて、じれったく、なんとかしてあげたいと思わせる風貌。
そのため、自分の周りにいそうな、そんな青年が、もしくは、良識ある自分自身が、あんな事に巻き込まれてしまう事が、現実にあるかもしれないという怖ろしさをひしひしと感じることが出来ました。
そんな彼の周りにいる人たちのキャスティングも、いちいち納得できるもので、すっかり映画にのめり込んでしまいました。

そして、判決・・・。
これだけの証拠や証言があって、実際の裁判でも、こういう結果が出るものなのか、どうなのか、専門家に、お伺いしたいですねぇ。

そして、善良な男性諸君、今ますぐ、AVビデオ、DVD、LDなど、処分することをお薦めします!!(2007,03,17)



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