そして父になる |
2013年 日本
<監督>是枝裕和
<キャスト>福山雅治 , 尾野真千子 , 真木よう子 , リリー・フランキー , 高橋和也 , 井浦新 , 國村隼 , 樹木希林 , ピエール瀧 , 吉田羊
<ストーリー>
大手建設会社のエリート社員、野々宮良多(福山雅治)は、ある日突然、一人息子慶多(二宮慶多)を出産した病院から連絡があり、同日に産まれた新生児と、取り違えられたという事実を知らされる・・・。
<感想>
カンヌ国際映画祭で審査委員賞を受賞した作品です。
昔、このような事件が実際にあったわけで、もし、自分が、親の立場だったら、どうするだろうと、考えさせられました。
大きな事件でありながら、思っていたよりも、静かな落ち着いた映画でした。
このような事件の当事者になってしまったら、病院側に対して、激怒するだろうし、責任を激しく追及するだろうけれど、映画には、そのようなシーンは少なく、親たちの苦悩や、子どもの戸惑いを、静かに見つめるような映画となっています。
実際、その方が、彼らのつらさや、困惑が、よく伝わってきたように思いました。
いったい、この事件(事態)の結末は、どうなるのか。
頭では、割り切れても、感情的には、割り切れず、決して、全てが丸く収まるような、正解はないのでしょう。
驚いたのは、この取り違い事件を起こした原因でした。
あんな事で、二組の家族が一生苦しまなければならないなんて・・・。
どうにも、怒りのやりどころに困ってしまいました。
映画の中のシーンにもありましたが、自分たちだけのことを考えたら、一番の解決策は、両方自分の子にすることなのでしょうが、相手があるだけに、そうもいかないわけで、本当に、苦しい決断だと、胸が痛みました。
福山雅治は、エリートサラリーマンの父親にぴったりと治まっていて、方や、リリー・フランキーは、ともすれば、暗く沈みがちな映画の中に、笑いをもたらしてくれました。
平日昼間に行ったのに、中高年のおばちゃんたちで、ほぼ満席。
さすが、福山雅治!さすがカンヌ!(^▽^)。
でも、実際、深く考えさせられる作品でありました。(2013,010,04)
(ネタバレ含む私の気持ち↓)
家庭(家族)は、ひとつひとつがそれぞれに個性的で、でも、その中で、子どもは、それなりに幸せに暮らしている(はず)わけで、物心が付いた子どもにとっては、血筋よりも、環境の方が、大きな影響力を持つように思います。
でも、この映画のように、親にとっては、やはり、血筋(遺伝子)の方が、大切なのでしょうか。
今までの環境で育てて、時々、本当の親に会う・・・っていうのが、私の理想なのですが、そうは、いかないものなのでしょうかねぇ・・・。
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