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チェンジリング      


2008年 アメリカ 歴史・ミステリー   

<監督>クリント・イーストウッド
<キャスト>アンジェリーナ・ジョリー , ジョン・マルコヴィッチ

<感想>
1928年、ロサンゼルス。シングルマザーのクリスティン・コリンズ(アンジェリーナ・ジョリー)は、9歳の息子ウォルターをひとり家に残して仕事に出かけるのだが、家に戻ると、ウォルターの姿が消えていた。そのまま、ウォルターの消息はつかめなかったのだが、5ヶ月後、彼が見つかったという知らせを受けて、駅に迎えに行く。しかし、列車から降りてきた子供は、別人だった・・・。

<感想>
大泣きではありませんでしたが、クリスティンの身の上に起こった不幸な出来事に、何度も涙がこぼれました。1928年に実際にあった出来事です。

それにしても、この時代の警察の腐敗ぶりは、ひどいですねぇ。
都合の悪いことは、全て権力で押さえつけ、それでも楯突く者は、病院送りですか?!もう、目を覆わんばかりです。

そんな中、彼女の事件が解明へと向かったのは、母の強い愛と、正しい事をしようとする人たちの力、そして、これではいけないという時代の流れによるものだったのでしょう。
アメリカは、過去に、こういう時代を乗り越えてきたのですね。

社会的に、一応の決着が着いた時点では、映画は終わりません。その後のクリスティンの姿を追うことで、彼女の中では事件が結末を迎えていないことが分かります。それが、母親であり、母性なのでしょうね。

監督は、クリント・イーストウッドです。不当な権力に対する厳しい目と、母親の強い愛情を感じる映画でした。なんと、この物静かで心に響く音楽も、彼が担当しています。本当に、多才な方ですね〜。

主演のアンジェリーナ・ジョリーは、アカデミー主演女優賞にもノミネートされているほどの熱演です。彼女自身の持つ強さと、子供への母性愛を強烈に感じました。
最初、彼女では、強い女性のイメージが際だちすぎるかなとも思いましたが、そんな強い女性でも、当時の警察権力には、ひとりでは立ち向かえなかった、ということも表現したかったのかもしれませんね。(2009,02,20)



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