ダロウェイ夫人 |
1997年 イギリス・オランダ (MRS. DALLOWAY)
ロマンス
<監督>マルレーン・ゴリス
<キャスト>ヴァネッサ・レッドグレーヴ , ナターシャ・マケルホーン , アラン・コックス , レナ・ヘディ
<ストーリー>
第一次世界大戦終結から5年後のロンドン。ダロウェイ夫人(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)は、30年前の若かった頃の自分を思い出しながら、今晩自分が開くパーティーの準備に追われるのだった・・・。
<感想>
原作は、ヴァージニア・ウルフの同名小説です。
ヴァージニア・ウルフ?!・・・どこかで聞いたなと思って調べると、「オルランド」の原作者であり、また、「めぐりあう時間たち」の登場人物でもありました。
映画館で「めぐりあう時間たち」を見た時は、「ダロウェイ夫人」を知らずに見たので、少々意味不明だったのですが、今回これを見て、なるほどと分かったところもあり、改めて「めぐりあう時間たち」見直したくなりました。
物語は、ダロウェイ夫人の一日の出来事の中に、彼女の若くて輝いていた頃の思い出と、彼女とは全く関係のない、ある戦争体験者の苦悩とが描かれています。
政治家の妻として静かな日を過ごす初老の彼女は、自分の過去を思い起こして、いったい何を感じていたのでしょうか。
自分のあのときの選択は、間違っていなかったと確認したのか、はたまた、別の人生に夢を馳せていたのか。
実際の彼女の生活は、愛情にも、金銭的にも、精神的にも、満たされて、何不自由もないように見えました。
それでも、人は、違う人生に憧れを抱くことも多々あるのでしょう。
あのとき、ああしていれば、あちらを選択していれば・・・。
人の葛藤は、とどまることを知りません。
一方、誰の人生にも、死は隣り合わせ。その危うさも、年齢を重ねていく上で、感じないわけはないのです。
30年前と現在とが描かれて、登場人物も重なるのですが、キャストの雰囲気がよく似ていて、戸惑うことなく、そしてあまり違和感を感じることなく見ることが出来ました。
ただ、彼女の女友達のサリーの変貌ぶりには、驚きましたが・・・(^_^;。
主演のヴァネッサ・レッドグレープは、老年の美しさと気品にあふれていて素敵でした。
ファッションも、きれいな色と流れるようなラインが美しかったです。
日本版のDVDは発売されてないようで、→は、VHSと輸入盤DVDです(^_^;。(2016,10,10)
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