ドア・イン・ザ・フロア          |  
  
2004年 アメリカ    
  
<監督>トッド・ウィリアムズ  
<原作>ジョン・アーヴィング  
<キャスト>ジェフ・ブリッジス  ,   キム・ベイシンガー  ,   ミミ・ロジャース  ,  ジョン・フォスター  ,  エル・ファニング
   
  
<ストーリー> 
海辺の家に住む児童文学作家テッド・コール(ジェフ・ブリッジス)は、妻マリアン(キム・ベイシンガー )と4歳の一人娘ルース(エル・ファニング)と暮らしていたが、ある日、別居を提案する。また、彼の作家活動の助手として、高校生のエディ(ジョン・フォスター)をアルバイトとして雇い入れた。エディは一目で美しいマリアンに恋してしまうのだが・・・。
  
<感想> 
不思議な雰囲気をまとった映画でした。現実感があるような、ないような・・・。今思うと、それはそのまま、マリアンの心理状態だったのかもしれません。 
のんびりとした、静かな海辺の町。そこに住む作家一家。 
別居を言い出すぐらいだから、幸せではないのかもしれないけれど、あまりにも、静かな日常性が、それを現実として、受け入れにくくしていました。
  
過去に負った心の傷を癒すことの出来ないマリアンは、高校生、エディとの関係を深めることで何かを得ようとするのですが、きっと、それでも埋めることはできなかったのでしょう。それどころか、ますます深くなってしまったのかもしれません。 
後にテッドを通して語られる、過去に起きた事故のことに話が触れると、心が空っぽになってしまうマリアンが不憫でした。 
キムは、この時51歳。ちょっと老けたとはいえ、まだまだ美しく、ベッドシーンもこなしてしまう彼女は、驚きです(^^)。
  
現実から逃避してしまったかのようなマリアンとは対照的に、同じく傷つきながらも、現実の世界に生きるテッド。 
マリアンに生活感がないのとは好対照に、彼の生活は、力強くコミカルです。 
男と、女の喪失感は、やはり違うのでしょうかねぇ。
  
原作は「サイダーハウス・ルール」や「サイモン・バーチ」のジョン・アーヴィング。 
「THE DOOR IN THE FLOOR =床にあるドア」を開けるのは、怖ろしいけれど、それを怖れていては、何も始まらないのです。
  
それにしても、この物語の一番の被害者は、娘のルースでしょう。まだ小さいから何も分からないと思ってはいけません、小さい子は、小さい子なりに、大人よりも敏感に物事を感じ取ってしまうでしょうから。(2007,02,02)
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