シネマチェックトップページ50音別indexタ行index 


終の信託     


2012年 日本 
   

<監督>周防正行
<キャスト> 草刈民代 , 役所広司 , 浅野忠信 , 大沢たかお

<ストーリー>
呼吸器科の医師、折井綾乃(草刈民代)は、長年の患者で、重度のぜんそくの江木(役所広司)の治療に当たっていたが、病状は、悪くなる一方だった。そんなある日、彼女は、不倫関係だった同僚医師(浅野忠信)に捨てられて、自殺未遂騒動を起こす。

<感想>
原作は、朔立木さんの同名小説だそうです。
映画を見ていて、こんな事件、昔あったなぁと思って調べてみると、やはり、「川崎協同病院筋弛緩剤事件」というのがありました。
経過も女医の行動も、映画とほぼ同じなので、あの事件を元に描いたものと思われます。
私が知らなかっただけで、公開時には、そのことが話題になっていたのかもしれません。

ほぼ事実だということで、感じたのは、やはり彼女の行動の迂闊(うかつ)さです。
医師である以上、安楽死に関しても、きちんとした専門知識を持っていたでしょうに、彼女の取った行動と、患者の家族に対する説明不足を、残念に感じました。
それも、患者に対する思い入れの強さがなせる技だったのでしょうが、それならば、患者を説得して、家族とその思いを共有するべきでした。
患者の思いに、のめり込みすぎたのは、かつての自殺未遂のことを考えると、彼女には、精神的な揺らぎがありすぎたのかもしれません。
でも、逆に、これほど患者に寄り添う事の出来る医師は、患者にとってありがたい存在だとは思いました。

彼女と真逆の存在感を示すのは、大沢たかおが演じる検事。
物事をイエスかノーかで割り切ることしかしない彼は、仕事は優秀でしょうが、人間味が感じられません。
法律とは、まさに、そういうものかもしれませんが・・・。

それにしても、検察庁でのシーンには驚きました。
あの場所に行ったことも、彼女のような立場に立たされたこともないので、
あのようなシステムになっているなんて、全く知りませんでした(^_^;。
任意で出頭して、取り調べ、そして逮捕・・・。
冗談なんて、間違っても言えませんねーーー(^_^;。

検察庁での草刈民代の演技、よかったです(^_^)。(2019,02,03)



シネマチェックトップへ