綴り字のシーズン           |  
  
2005年 アメリカ    
  
<監督>スコット・マクギー   ,   デヴィッド・シーゲル  
 
<キャスト>リチャード・ギア  ,   ジュリエット・ビノシュ  ,   ケイト・ボスワース  ,  マックス・ミンゲラ  
  
<ストーリー> 
大学教授で宗教学者のソール・ナウマン(リチャード・ギア)は、科学者の妻(ジュリエット・ビノシュ)と二人の子供達と共に、理想の家庭を築いていた。そんなある日、娘のイライザ(フローラ・クロス)は、校内のスペリングコンテストで優勝し、その後も、着々と、大会を勝ち進んでゆく。そんなイライザの才能を喜ぶソールは、家で、スペリングの特訓を始めるが、そんな彼に、家庭内の微妙な空気は読めていなかった・・・。
  
<感想> 
リチャード・ギア演じるソールにとって、家族がこんな事になってしまったのは、青天の霹靂だったと思います。外では、大学の教授として、また、家の中では、食事も作る、いい夫であり、父親であった彼。完璧な人生を送ってきたはずだったのに・・・。
  
でも、人によっては、彼の完璧さに疲れ、反発し、また、その完璧さによって、自分の不完全さが更に増長されてしまうような、そんな辛さを感じる繊細な人もいるのです・・・。でも、それに気づくのは、彼のような人間には、きっと難しいのでしょうねぇ。こんな事になってしまって、初めて気がつくのも、しょうがないことかもしれないなぁと、映画を見ていて思いました。
  
謎めいた行動を繰り返す妻ミリアムには、実力派フランス女優ジュリエット・ビノシュ。彼女の行動の理由は、ラストまで分からないのですが、うちに秘めた苦悩が、よく表現されていました。
  
リチャード・ギアは、ちょっと微妙でしたねぇ。彼自体に繊細さや、優しさを感じてしまうので、この役としては、ちょっと線が細かったかもしれませんが、そんな風に見える彼だからこそ、衝撃的なのかもしれないですが・・・。
  
ちょっと重い映画ですが、その中で、すばらしいのは、美しい映像です。コンテストの時のイライザの頭の中は、こんなになってるのかな〜と、思いながら見ていました。彼女は、父親の天才的な頭脳と、母親の繊細さを兼ね備えた素敵な女の子です。 
意外な破綻を迎えたこの家族は、ラストのラストで、彼女によって救われるわけですが、イライザを演じたフローラ・クロスの穏やかで、思慮深そうな表情が、深い感動を呼びました(^^)。
(2007,02,25)
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