ナイロビの蜂           |  
  
2005年 イギリス スリラー    
  
<監督>フェルナンド・メイレレス 
<キャスト>レイフ・ファインズ ,   レイチェル・ワイズ  ,   ピート・ポスルスウェイト  ,  ビル・ナイ 
 
<賞>アカデミー助演女優賞(レイチェル・ワイズ)
  
<ストーリー> 
英国外務省一等書記官のジャスティン(レイフ・ファインズ)は、友人の高等弁務官事務所長のサンディ(ダニー・ヒューストン)から、妻、テッサ(レイチェル・ワイズ)の死を知らされた。つい数日前に飛行場で別れたばかりの妻の死に、疑問を感じたジャスティンは、テッサの足跡を追う・・・。
  
<感想> 
余韻のある、とてもいい映画でした。 
大好きなレイチェル・ワイズと、演技力には定がのあるけれど、実は嫌いなレイフ・ファインズの共演で、見ようかどうしようかと迷いましたが、映画館で見て、良かったです。
  
冒頭、活動家のテッサがジャスティンの報告に噛みつくところでは、代理の人にそんなこと言ってもしょうがないじゃないと、ちょっと彼女の態度に腹が立ちましたが、そんな彼女をも、優しく包み込んでしまう彼の包容力、これは、物言わぬ草花を慈しむ事にも通じる優しさなんでしょうね〜。
  
映画は、アフリカの現状と、そこに目をつけて、利益をむさぼろうとする企業を描いた社会派映画ですが、そこに、一組の夫婦の愛情を絡ませて、とても、感動的に仕上がっています。 
問題も、ストーリーも複雑ですが、それを難なく、分かりやすく作り上げていることに驚きます。 
また、ジャスティンの心の動きもよく分かり、彼のテッサへの愛情、そして尊敬が理解でき、心が震えるような感動を覚えました。 
苦手なレイフ・ファインズですが、今回は、彼が妻に呼びかけたり、一人で、つぶやいたりする「テッサ」という言葉の、愛情こもった優しい響きが心に残って、クラッときましたね〜〜(^^)。とても素敵!
  
ラストは、何ともやりきれない終わりかたなのですが、それ故に、なおさら心に余韻が残ります。人の命の重さを考えさせられる映画です。 
エンドロールになっても、立ち上がる人は、ごくわずかでした・・・。(2006,05,15)
 |   
 | 
 |